2007年12月31日 (月)

顧客は追いかけるな!

02712548ジャン・ストリンガー&ステーシー・ホール著 『顧客は追いかけるな!―48時間で顧客が集まるシンクロニシティの法則!』

こんな都合の良いことが起こるのだろうか!

待っているだけで、完璧な顧客がこちらに向かってやってくる。

こんな都合の良いことが起こるのだろうか!

にわかに信じがたいのだが、帯に書かれた
「ブライアン・トレーシー、ロバート・アレン推薦!」
の文字は余りにも強力だった。
期待を込めて、熟読した。

●ステップ1
  完璧な顧客の特徴を明らかにする
●ステップ2
  完璧な顧客を動機づけるものを知る
●ステップ3
  自分が期待されたいことを明確にする
●ステップ4
  さらなる改善点を明らかにする

とこんな内容だった。

結局、念じていれば自然に顧客が集まる、ということではない。

ただひたすら願っていれば、顧客が勝手に集まってくれて、知らない間に商品やサービスを買ってくれるというものではないのだ。
やっぱり、そんな都合の良いことは起こらない。

自分が望む「完璧な顧客」をイメージし、それを紙に書き出し、しっかりと意識することから、自分のとるべき行動が明確になる。
いや、厳密に言うと、とるべき行動を明確に意識できなかったとしても、潜在意識がその行動へと導いてくれるということなのだ。

それがおそらく「シンクロニシティ・マーケティング」の本当に意味だろう。
「偶然」と思えるような幸運は確かにあるのだろうけども、それが戦略的に発生させられると信じることで、自分の行動は確実に変わる。

「行動が変わる」 ここがポイントだ。

願えば叶う!は正しいのだが、願い方があるということだ。
この本には、その正しい願い方が書いてある。
正しく願えば、それを実現するための正しい方法論が導き出される。

こんなビジネスをしたい、こんな顧客とだけつきあいたい。

そんなことも意識せずに、とにかく沢山の顧客を獲得したい、売上を爆発させたい、とただひたすら願い、闇雲に行動しても、空回りをするだけだ。
自分にとっての「完璧な顧客」は誰なのか?がわかれば、その人たちがどこにいるのかを探せばいい。探せ出せたら、どの人たちが何を望んでいるのかを知ればいい。そして、それを自分が提供し、自分の存在を知らせればいいのだ。
そうすれば、自然と「完璧な顧客」は集まってくる。単純な論理なのだ。

さらに、獲得した顧客に「あなたは完璧な顧客ですよ」と伝え、感謝をし続ければ、完璧な顧客は完璧な顧客でい続けてくれる。それが、顧客を維持し続けるコツだ。これも単純な論理だ。

しかし、ここでも思う。

「知っている」と、「実行する」との間には大きな距離がある。

なんだかんだ言っても、「完璧な顧客」を明確にすることから始めてみる価値は充分にあると判断してしまった。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月30日 (日)

"豆富一丁"をどう売る?

02691716樽見茂著 『"豆富一丁"をどう売る?―非常識な事業戦略が壁を打ち破る!』

商売人の魂を感じる熱い内容だった。

樽見さんは根っからの商売人だ。
自分の商品を売るために、どんなことが必要かを常に考えている。
その気持ちが本のタイトルに現れている。

損して、得取れ!

ありきたりだが、この人はこの商売の基本をわきまえている。
スーパーマーケットで自分の商品を売り始めたときの逸話。スーパーマーケットから撤退した判断。豆富料理専門の外食店の利益を出す手法。再びスーパーマーケットで商品を売り始めた時の判断。
すべて目先のことではなく、一歩先を見据えての判断をしている。一見「儲からない、損をする」という行動をとりながら、実はその先にある「得を取る」結果を見据えている。
だから、粘り強さが出るのだろう。当初はダメでも、必ず逆転するときが来ることを確信している。これって、まさに戦略思考だよなと思う。

俺は豆富屋なんだ、という意識を常に持っている。

これが本当に素晴らしいと思う。「豆富を売る」という姿勢に迷いがないのだ。
外食店を出すのも、M&Aをするのも、すべて自分が売りたい豆富を売ることが目的なのだ。
そこに迷いがまったくない。事業領域がふらつくことはない。
理念を全うする、というのはこういうことを言うのだ。

これが、商売の質を上げ続け、消費者の信頼を得続ける最大のポイントなのだ。

本を読むと樽見さんが、経営やマーケティングに関する知識が非常に広いことがわかる。よく勉強されていることがわかる。
勉強したことを実践し、結果を出している。だから、説得力がある。結果として、自分の言葉として経営の理論が語られている。

本で知識を増やすことも大切だが、それを実践することはもっと大切だ。そして、失敗と成功という結果を出し、自分の信念を固めていく。

この姿勢が本当に大切であると感じる。

樽見さんは今後も、"豆富一丁"をどう売るか、を考え続け、マーケットを世界に広げていくことだろう。

本当の商売人の生き様を知りたい方は、是非一読あれ。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月29日 (土)

小さな会社の儲かるアタマの使い方

02343494山本隆雄著 『小さな会社の儲かるアタマの使い方』

私はこういう本が好きだな。

人生とは何?生きる意味とは何?魂とは何?永遠なる幸福とは何?を考えることも重要だし好きなのだが、「儲かる」を考えているときの方が実は幸せだなぁ...
という俗なことを考えている私はまだまだ、輪廻から外れることはできそうにはないが、せいぜい現世で欲を満たすことを考え続けることにしよう。

この本は、神田昌典氏の顧客獲得実践会が存在していた頃の本だ。マーケティングのベースを強く感じる内容になっている。

戦略思考のなんたるかを考えさせてくれる。

もう、5年近く経つから、書いてあることに新鮮味はない。特にこの本は、神田氏の教えを忠実に実践した人が書いている本だから、神田本を一通り読破している人にとっては、当時としてもまったく斬新なものはなかったはずだ。
しかし、読んで見ると、得るもの、学びは多い。ベーシックなだけに、考えることも多い。

やっぱり商売というのは、質の良い(確実に購買者の利益に貢献する)商品を提供する仕組みを整え、顧客を獲得し、顧客を維持するという単純な行動の繰り返しなのだ。

この本を読んで、再認識した。

儲けたい!確実に利益を出して、豊かな生活を享受したい!

それが多くの人の願いだ。
それを実現するためには、商売の正しいサイクルを創り上げるしかない。それしかないのだ。
その活動こそが、商売人を幸せにする方法なのだ。

ちょっと古い本だから、商売を繁盛させる具体的な方法は、少し流行おくれになっている感はある。しかし、考え方の基本は変わらない。

商売人として、経営者として、何を大切にして、何を考え、何を優先的に実行するのか?

それこそが「儲かるためのアタマの使いどころ」だ。

商売に行き詰ったときは、いつでも基本に戻ることが大切なのだ。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月24日 (月)

藤村流 売れる!コトバ

02648094藤村正宏著 『藤村流 売れる!コトバ』

エクスペリエンス・マーケティング、未だ顕在!
といった内容ですな。
いつもと変わらぬ藤村節が心地よい一冊だった。

『「モノ」を売るな!「体験」を売れ!』と出会ってから、もう随分経ったが、この人の主張はまったく変わっていない。とにかくお客をワクワクさせること。お客の想像力を膨らませ続けること。このことだけを考え続けること。これが藤村さんの変わらない信条だ。

今回のテーマは「コトバ」の力を最大活用することだ。
「コトバ」の持つ大きな力を使って、売上を最大にするコツが書かれている。

書かれている内容にそんな目新しいことはない。

しかし、不思議だ。読んでいくうちに心がはずんでくる。自分の商売が、どんどんうまく行くような気がしてくる。この高揚感がたまらない。
この本のこんな文章、こんなコトバが、そこはかなとない勇気をくれる。

え?普通のクスリ屋の僕が、どうして売れるPOPを書けるのかって?
それはね、実は僕はクスリ屋って接客業を営んでいるくせに、人と話すのが大の苦手だからなんです。
子供のころから恥ずかしがりやで、人に大きな声で挨拶なんか全然できなかったし、今でも雑談ってやつがほんと、できない、苦手なんです。
そんな、人と話すのが苦手な僕が考えた。
「人と話をしないで売上をあげるにはどうしたらいいのか?」
その答えが、POPだったんです。
そう、POPは接客の代わりだったんです。
自分の話したいことを書けばいいんですよ。
とにかく話したいことを書けば、お客さまが読んでくれて、理解してくれれば、その商品を買ってくれたりするんですからね。
セールスマンと同じです。

うーん、上手だ。非常に簡易なコトバで、読み手のやり気を引き出してくれる。
この本自体が、コトバの威力を使って書かれていることがよくわかる。

かなり初心者向けの本であることは否めないが、マーケティングに関する知識が豊富な、頭でっかちの人ほど、この本を読むべきだ。

知っていることと、実践することの間に大きな溝がある。

ということを認識して、実践をしていくべきだ。

簡単なことでいい。簡単なコトバでいい。

お客の想像力を書きたてる簡単な仕掛けでまずは結果を出す。
そのことをやり続けることなんだなぁ。
とつくづく思える本だった。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月21日 (金)

LEAP!

41n6japa9ql__aa240_ スティーブ・ファーバー著 『LEAP!』

究極のリーダーシップを学ぶ7日間の物語。
トム・ピータース・カンパニーの元副社長が書いた、なんともウェットに富んだビジネスストーリーだ。

本書の邦題である「LEAP!」は、跳躍する、飛び越える、胸が高鳴る、といった意味の動詞であり、それとともに本書では、愛(LOVE)、エネルギー(ENERGY)、大胆さ(AUDACITY)、証明(PROOF)の頭文字をつなげたキーワードとしても用いられている。
LEAPは本書の中心であり、またその背景にある「世界を変える」というリーダーシップの基本的なとらえかたが、本書の特徴のひとつになっている。

ということだ。訳者の白川房子さんのあとがきが、あまりにも的を得ているので、そのまま引用してしまう。

『LEAP!』は、単なるリーダーシップ養成の実用書ではない。謎めいたストーリーを絡ませながらリーダーシップ能力を向上させようという工夫が凝らされ、感動的な一冊に仕上がっている。展開もきびきびしていて、ユーモアもあり、病院でのやりとりや全社ミーティングなど山場もいくつかあって、単なるストーリーとして楽しめる。また、登場人物のキャラクターや出来事の組み立てが、長年の著者の経験にもとづいているため、その現実感と興味が読者を飽きさせずに、最後まで引っ張っていく力になっている。

ということだ。これ以上、あまり言うことはない。

確かにこの本を読んでも、リーダーシップの何たるかを学んだという実感はでないだろう。話の展開が謎めいているので、そちらの方に興味が行ってしまい、登場人物たちが一生懸命リーダーシップ論を語ってはいるが、私はかなり上の空だった。

しかし、読み終わったあとに、はたと気づくのだな。
この本で伝えようとした究極のリーダーシップってなんだ?と。

そのために、巻末に『究極のリーダーのためのハンドブック』が添えられているのだ。
ちなみに、そこにはこんなことが書いてある。

L(愛を育てる)
「愛は、“究極のリーダー”にとって、最高のモティベーションだ。」

E(エネルギーを自ら生む出す)
「究極のリーダーは、発電機であり、行動や前進に結びつく強い力である。」

A(大胆さを奮い立たせる)
「大胆とは「常識の限界を勇敢に堂々と無視する」こと。」愛に触発された大胆さは、勇敢で決断力に富む。究極のリーダーは、自分のエゴのためでなく、公共の利益のために大胆になる。勇敢に堂々と実行し、反対する人を驚かす。」

P(立証する)
「あなたが究極のリーダーであることを、言葉と行動で一致していることで証明せよ。正しいことを支援することで証明せよ。数字で測れる形で、また目に見える形で進歩していることにより証明せよ。君自身の体験を通じて証明せよ。はっきり見える成功で証明せよ。大きな失敗で証明せよ。」

結局、学んでしまうのだ。一生懸命学んでしまう。
リーダーシップって何?と自分で疑問を感じ、自分で解答を導き出そうとしてしまう。
そこに著者の狙いがあるということだ。

さすがに計算高い!

まんまと著者の策略にはまって、「究極のリーダーシップって何?」としばし考えること。
これがこの本を読む醍醐味なんだな。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年12月19日 (水)

世界一ワクワクする営業の本です

02556851山本藤光著 『世界一ワクワクする営業の本です―「売れる頭脳」に変わるロールプレイング・ストーリー 』

なんともストレートな題名の本。
売れない営業マン3人が、今は潰れそうな定食屋を経営しているが、元は百貨店外商のトップセールスだった定食屋の主人(亀さん)にセールスの手ほどきを受けるという、営業物語だ。

営業の本には、いろいろな営業手法が書いてある。
いわゆる売る技術だ。
こんな状況で、こんな風に話を引き出して、こんな風に切り返していく、みたいな感じに。
すぐに取り入れられるテクニックが紹介されている本は、短絡的に「参考になった!」と思うが、実は大切なことは「考え方」の方なのだろう。

この本の面白いところは、テクニックが詳細に書かれているのではなく、登場人物の思考の習慣が変わり、行動が変わり、結果が変わる過程がわかりやすく書かれているところだろう。

だから、この本は人生論から始まったりする。

売れない営業マン3人のメンターである亀さんが最初に口にする教訓は、こんな感じだ。

人生というものは、永遠なる自分探しの旅なんだよ。仕事も家庭も趣味も酒も、全部そのための小道具にすぎない。一つの小道具にのめりこんじゃうと、他の小道具がおろそかに扱われる。つまり、人生のシナリオが偏った展開になってしまう。
仕事バリバリ、家でゴロゴロ。これが最悪のシナリオだ。対(つい)がつながっていないから、人生のシナリオは悲劇の結末となる。対(つい)ってわかるか?
仕事と家庭、妻と夫、親と子、上司と部下。これらがつながってこそ、まともな人生になる。自分探しの旅のためには、バランスのとれた対(つい)を創りあげなければならない。

営業の仕事って、モチベーションが非常に大切だ。
特に新規開拓は、自分で自分を奮い立たせなければ、行動ができない。未知の世界に飛び込んでいく勇気、不安を乗り越える勇気がなければ、やっていけない。結果も出ない。

小手先の技術だけを磨いても、継続的に行動していくことはできないのだ。

だから、考え方―仕事に対する考え方、人生に対する考え方が確立していなければならないのだ。
他人から仕事を与えられているうちは、満足な結果は出せない。自分で自分の仕事を創り出す習慣がなければ、営業の仕事は続かないのだ。

この本は、そのことをきちんと伝えたいために、物語になっているのだと解釈した。

物語であることで、読み手の意欲が継続する。考え方の習慣を変えることの重要性がより深く理解できる。
著者の企画力に感謝をし、さわやかな気持ちで読了した。

軽い気持ちで読み始めたが、得るものの多かった本だった。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月17日 (月)

小さな飲食店 黒字経営の原理原則100

02947749鬼頭宏昌著 『小さな飲食店 黒字経営の原理原則100―すべてのオーナーと店長に贈る新常識』

昨日のよってこやの成功の秘訣から、さらに5年。現在の飲食業界における繁盛の法則はどんなものだろうか。今月出たばかり、ピカピカの最新刊、しかも飲食業界でもっとも最先端を行っていると言われている新進気鋭のフードコンサル、鬼頭宏昌さんの本を手にしてみた。

なんとも実践的な内容だった。すんなりと頭に入ってきた。

飲食店を繁盛させるためのマーケティングとマネジメント、そして経営者自身の生き方、心構えが本音で書かれている名著だ。

現在の飲食業界の経営環境は、10年前とは大きく変わっている。
何が流行るかわからない時代になってきている。目新しいものは特に何もない。突飛な演出や奇抜なメニューは、一瞬の話題にはなっても、継続的な繁盛には貢献しない。

地に足の着いた安心感

実はこんなことが求められている時代になってきている。

この本の著者の鬼頭さんは「旅籠屋」という居酒屋チェーン(名古屋では有名だが、全国的には知名度は低いかもしれない)を短期間で成長させ、1年ほど前に、今話題のジー・コミュニケーション(NOVAを買った会社)に売却している。
現在はその経験をもとに、飲食コンサルタントをしているのだが、この本を読むと、その「旅籠屋」の経験が、飲食店成功の法則として見事に体系化されているのがよくわかる。

「狙って成長させた」という軌跡がわかる。

鬼頭さんがこの本で述べている論理の多くは、他のコンサルタントと呼ばれる人たちが言っていることとダブっている。
しかし、鬼頭さんの言葉には妙な説得力がある。
それはきっと、「自信」なのだと思う。

「私は、これで成功した。狙ったことを狙った通りに実現した。」という自信を感じる。

この自信はきっと、鬼頭さんが経営していたお店にも表現されていたはずだ。
それが「地に足の着いた感」を演出していたのではないだろうか。

現在の飲食業界では、一つの業態は「3年持たない」と言われている。そんな中で、鬼頭さんは「10年続く業態を目指せ」と説く。
だから、世の中を知り、多くの人が求める本質的な欲求をつかみ、それを業態に反映させるべきだと説いている。
そのうえで継続的に経営が成り立つことを考慮し、立地の選定するのだと言っている。

飲食店が長く生き残るためには、固定費が低いことが最大のコツだ。
そのために、業態と立地は生命線なのだと。
固定費の主な内容は、家賃、減価償却、社員人件費だ。そして、それを決めているのがまさに業態と立地。そこがポイントだ。
出店時にこのことが意識されており、狙い通りの出店ができていれば、お店の経営はそんなに難しくない。ということなのだ。

飲食店関係者でなければ、ピンとこない内容ではあるが、非常に的を得ている。

少子高齢化、環境破壊、地球温暖化。

私達の未来を脅かす現象は確実に増加している。

そんな環境の中で、飲食店は何を実現していかねばならないのか?

鬼頭さんの本を読みながら、そんな壮大なことが頭をよぎった。

その「志」を実践した店が、これから多くに人たちに受け入れられ、繁盛していくんだろうなぁと漠然と思っている。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月16日 (日)

よってこやの秘策

02076909文野直樹著 『よってこやの秘策―二十一世紀に飛躍するニュービジネスモデル』

昨日の宇井さんの本から5年後、飲食業界の流れはどう変わったのだろうか。こんな本を手にしてみた。

「門外不出の成功哲学」

帯に書かれたキャッチコピーはちょっと大袈裟かも...
「よってこや」というラーメンチェーンを経営する大阪王将(現在はイートアンド株式会社と社名変更している)の社長が自社のヒット業態の成功のノウハウを語っているのだが、確かに、自分の店に対する数々の「こだわり」をひしひしと感じる。「よってこや」が他のラーメンチェーンと何が違うのかが、「これでもか!」と表現されている。(でもちょっと、「門外不出」は大袈裟かも...)

繁盛するラーメン屋を創るために、美味しいラーメンをとことんまで追求して、ありとあらゆる「こだわり」を投入しているのだが、この人も繁盛の条件をこんなふうに表現をしている。

また、今の時代、味だけでお客様が店を選ぶわけでもない。味はおいしくて当たりまえ、あとはそこでいかにくつろいで、楽しく食事ができるのか、五感全体で店を評価するような時代だ。それには画一的な店舗イメージを持たれるのは適していないと考えていた。

ここでも「五感」に訴えることの重要性が語られている。

五感に訴えるプロモーション、そのことを広く伝えるためのマーケティング、そして「こだわり」を維持し続けるためのマネジメント。

これらの要素があいまって、繁盛店が生まれる。このことは間違いない。

この本から6年の年月が経っているが、きっとこの法則は変わっていない。いや、きっとずっと前から、このことは実践されてきたのだが、それを意識的に狙って実践している人がいなかったのだ。

遠い昔から成功のための原理原則は変わっていないのだが、それを法則として意識されるためには、人は経験を積み重ねる必要があるということだろう。

文野氏の成功哲学に触れて、そんなことを感じた。

この本では、若くして企業のトップとしての役割を果たしてきた文野氏の苦労と苦悩もふんだんに語られている。多くの人に参考になる成功哲学がいろんな場面で語られているので、飲食業界にかかわりのない人にも、おすすめの一冊だ。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月15日 (土)

小さな居酒屋で大成功する法

76960633宇井義行著 『小さな居酒屋で大成功する法―商品、サービス、雰囲気、立地 だれでも繁盛できる個性店のつくり方マル秘全ノウハウ』

最近居酒屋関係者と仕事をすることが多くなってきたので、こんな本を手にしてみた。

10年前の本だ。ちょっと古いが、いろんな気づきがあった。
10年前と言えば、飲食業界は画一的チェーンレストランが一気に業績を落とし始めた時代だ。
ファミレスの最盛期がその10年前、そこから外食冬の時代を向かえ、カテゴリーキラーのガストが登場したのが、その5年後。
この本は、そこからさらに5年後の1998年に書かれているが、子供時代にファミレスで外食に慣れ親しんだ人たちが、ファミレスを卒業し、外食にさらなる多様化を求め始めた時代に書かれている。

小さな飲食店に対しての指導実績が多いフードコンサルの宇井義行さんは、当時こんなことを書いている。

「チェーン店、大型店と同じ土俵で戦うな」
「他店にはない魅力をつくれ」
「メニュー数はできるだけ絞れ」

目立つ店、流行っている店と同じことをするな、ということを強調しているのである。

そして、メニュー作りに関してはこんなことを主張している。

居酒屋メニューの場合はとくに、アイデアの面白さとか見た目、食べ方などの楽しさということも追求する必要がある。居酒屋は、楽しくすごすための場所だからである。そこが私がおすすめしているのは、人間の五感のどれかを刺激する商品の開発である。たんなる料理として考えるのではなく、楽しく食べるための料理、という発想で考えてみるということだ。

「五感に訴える」という発想は、当時はまだ斬新な思考だった。
ただ単にお酒が飲める空間を提供するのではなく、五感に訴える演出を狙って行なえと言っている。
今でこそ当たり前の発想になりつつある(未だに斬新に感じる経営者も多いとは思うが...)「五感に訴える」という概念を当時理解されるのは、なかなか難しかったと思う。

宇井さんは、最終的には「成功のキーワードは"愛〟の表現」と結論づけている。

曰く、

愛などというとすぐに馬鹿にしたがる人もいるが、そういう雑音を気にする必要はない。なぜなら、これこそが飲食店の本質だからである。このことをどれだけ理解しているかで、成功の確率は大きく変わってくる。

確かにこれが本質だと思う。普遍的な真理なのだ。
この本質に基づき、マネジメントとマーケティングが存在するのだ。

小手先のマーケティングに頼った業態は、すぐにマネジメントで崩壊する。

店を出せば儲かるという時代が終わり、マーケットの成熟がピークを迎えた当時、こういった本質論が語られ始めたのは必然であろう。

この本質に立脚し、堅実なマネジメントと時代に即した(人の心理に根ざした)マーケティングが要求される現在の状況は、もうすでにこの時代に始まっていたのだ。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月10日 (月)

どん底から浮上した男の"新空間ビジネス〟

02620631八丘洲光著 『どん底から浮上した男の"新空間ビジネス〟』

インターネットカフェを展開する株式会社アプレシオの代表 馬場正信氏の半生記。

「これだ!」と決めたらとことんやり抜く人の典型的な例に出会った。

この人もすごいが、この人のお兄さんもすごいと思う。
圧巻はビデオレンタル屋に挑んだときだろう。

「これは絶対、収益の上がるビジネスモデルに成長する!」と思ったら、どんなに赤字が続いてもやめない。

そして、芽が出るや否や、それまで会社の成長を支えてきたほっかほっか亭やミスタードーナッツという事業をさっさとやめてしまう。
そして、ビデオレンタル事業に一点集中する。

その切り替えが素晴らしい。
この見極めができないんだよなぁ。普通の人は。

潮時を見極める能力とやるべき時に集中して粘り抜く能力

これが成功者の条件なんだとつくづく思う。

「戦略発想」という言葉だけでは表現できない、熱い熱い情熱を感じる一冊だった。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月 9日 (日)

ダメなら、さっさとやめなさい!

02914039セス・ゴーディン著 『ダメなら、さっさとやめなさい!~No.1になるための成功法則~』

この本には、ビジネス&自己啓発書100冊以上の価値がある!

帯に書かれた神田昌典氏の言葉に惹かれて、衝動買いした1冊。

結局、「さっさとやめなさい!」ということは、本当にやるべきことに集中して、「やり続けろ!」ということなんだよな。
これって、戦略論だよな。

売れなくなった飲食店が、メニューをやたらと広げてしまう、という間違いをよく犯す。
その結果、一般受けしそうなメニューが増え、他のお店との違いが不明確になり、特徴をなくしてしまう。やりなれないメニュー、不得意なメニューを作ってしまい、ありきたりの商品、良くない商品を提供してしまう。一般に受け入れられそうだということで、不得意なメニューに手を出し、お客の不振を買う。
材料も広がるから、鮮度を落としやすく、品質に問題が出る。コストを押し上げてしまう。
調理や食材管理に時間とお金を使う割には、利益に貢献しない。
冷静に考えればよくない結果になることはわかっているのだが、客層を広げるために、メニューを広げなきゃと発想する経営者はあとを絶たない。

こんなことを言っているんだなぁ、と思った。

一発一中で成功への道を歩めればそれに越したことはない。
しかし、現実はそう簡単ではない。
沢山行動して、その中の一つが当たるのだ。当たる一つに出会うまで、沢山行動しろ。「うまく行かない」と思ったら、さっさとやめろ。そして、次に行け。「行ける!」と思ったら、粘りぬけ。決してやめるな。

そんなことを言ったって、どこで引き返すか、いつまで粘るのか、の判断ができないことが問題なのだ。

そこには、冷静さが必要になる。
人は緻密に計算して行動しているように見えても、実は感情で行動している場合が多い。
感情に流されている自分をきちんと意識して、冷静な判断をするということだ。
神田昌典氏の持論であるライフサイクルの理論を応用するのも非常に有効だ。
過去の事例や世の中の情報を多く仕入れ、極力論理的に自分の状況を見極め続けること。
これが大切な姿勢だということだ。

自分の得意を見極め、「これだ!」と決めたら、とことん粘り抜く。そのために、不得意なことや、やりたくないことに無駄な時間を使っている暇はない。

「とことんやり抜く」ことを実現するために「ダメなら、さっさとやめなさい!」ということである。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月 2日 (日)

実録!悪の経営術

4872576764_09_lzzzzzzz小野寺隆著 『ライブドア関連会社元社長が書いた 実録!悪の経営術』

ネガティブな本をもう一冊。

正直、この本を読んで気分が悪くなった。
私のように世の中の汚い部分、人の心の邪悪な部分を意識的に見ないようにして、お気楽に生きている人間にとって、この本は劇薬だと言える。
しかし、この本に書かれていることも世の中の事実なのだ。(いや、この本に書かれていることこそ、世の中の「真の姿」なのかもしれない...)

どこまでが正当な企業活動で、どこからが詐欺なのか。
何が人の役に立つことで、何が人を騙す行為なのか。

企業活動が高度化し、組織が複雑になればなるほど、その基準があいまいになりがちだ。

「お金を儲けることは悪いことではない」

それは間違いない。よく言われることだが、お金儲けは結果であって、目的ではない。
お金儲けが目的になったとき、方法論の正当性が崩れてしまう。
人の心の弱みにつけこむこと。このことからすべての虚業が始まるのではないだろうか。

この本を読むと、自分の懐にお金を集めることは、そんなに難しいことではないのだと感じる。

しかし、本当の意味での成功を勝ち取ることは、そのことでは実現しない。

ハングリー精神にあふれた人々、とくに若者に対して「自分もいつかは成り上がる!」「俺もあんな金持ちになりたい!」という前向きで短絡的なエネルギーを持たせることは、社会の不安定要素を事前に取り去り、多くの"負け組み〟の人々に社会システムに対する疑念を抱かせず、そのまま"負け組み〟にとどめさせることに成功している。

著者はこれが成功法則の流布の大きな意義である、と言っている。
この一文を読むと身体から力が抜けてしまう。

しかし、世に流布している成功哲学にも一片の真実はある。すべてが嘘であるということではない。その一片だけを都合よくとらえることで、苦しい現実から夢の世界に逃避できる。現実を知ることは、その一片以外を意識することに他ならない。と私は信じている。

著者はこの本を書いた真意を、最後にこう語っている。

こんな世の中だが、生きていくためには知らなくてはならない。そのへんの自由意志を捨て去った人間が知る必要なのないのだが、あなたは知らなくてはならない。
私自身、生き方はさまざまな道があると信じたいし、人間は、"貧富〟の枠でくくられない高等な生命体であると信じたい。だが、信じたいことを真実と思い切ってしまうのは、まったく愚かなことである。
それらを知ったうえで、どう生きていくのかは、あなた自身で決めればいいことだ。

いつも思うことだが、起きている現実はひとつだ。それをどう解釈して、自分の行動を決めるかは、その人次第なのだ。

選択を誤らないために、現実をあらゆる角度から解釈する必要性があるのだ。

メディアを通じて、毎日のように報道される世の中の「成功」と「挫折」。
その一面だけをとらえ、自分の目指す道を選ぶことの危険性を充分に教えてくれる一冊として、この本の価値は高いと思った。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月17日 (土)

いい男はマーケティングで見つかる

51jj1k6tm0l__aa240_ アボガド・アッシュ著 『いい男はマーケティングで見つかる』

松下梨奈がいい男をマーケティングで見つけるまでの歩み
を描きながら、マーケティングの知識を身につけるという企画の本。

興味本位で読み始めた本だったが、なかなかわかりやすい内容で興味深かった。
「いい男をゲットしたい!」という若い女性をターゲットにしている企画と見せかけているが、マーケティングの基礎知識をやさしい表現で書くことを目的にしている内容だ。

男女を問わず若いビジネスパーソンに充分おすすめできるレベルの本だ。

マーケティングって何?というところから始まり、マス・マーケティング、CRM、経験価値マーケティングとマーケティングの基礎知識を「いい男獲得術」になぞって、楽しく解説してある。
著者お二人の経験に基づいた実践的なマーケティング知識は、非常にバランスがよく、あらゆる場面でうなづきながら読了した。
「マーケティング」に興味を持ち始めた方々には入門書としてうってつけの教科書である。

軽い気持ちで読み始めたが、なかなか得した感じの時間を過ごさせていただいた。

最近の女性向けのビジネス書は、説得力のあるわかりやすい内容が多いので、なかなかあなどれない。

にほんブログ村 本ブログへブログ村 本ブログランキングに参加しています。

Banner_02_5 人気ブログランキング 本・読書ランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月17日 (日)

ザ・リーダー

023888890000ライル・サスマン、サム・ディープ、アレックス・スタイバー著 『ザ・リーダー』

リーダーって、つらいね。
リーダーとしての自覚が強ければ強いほど、責任感に支配され、自分を追い込んでしまう。

つまり、僕には、自分がボスだからどんなことでも決めてしまい、自分がボスだからみんなが後ろについてくると考える癖があることがわかったんだ。
実際、部下はついてこようとしていたが、彼らは僕がどこへ向かっているのかを知らず、僕が見ているものを見ていなかった。
だから、僕たちのあいだの距離が開いていき、彼らはやる気をなくしてしまったんだ。

自分が部下である時は、リーダーのこういう発言、態度、行動の問題はよく目に付く。
しかし、いざ自分がリーダーになった時には、すっかりこの問題を忘れてしまうのだ。

それは、自分が責任者であり、意思決定者であるという意識が、「全てをコントロールしなければいけない」というプレッシャーに変わり、周囲の存在を見えなくしてしまうということだ。

崩壊寸前のプロジェクト。問題は山積み、しかし、メンバーは誰も自分の責任だとは思っていない。
それは、ボスであるラリーの「部下は指示に従って動いていればいい」という古いタイプのリーダーシップに起因していた。そのことに気付かないラリーは、悪循環にはまり、日々問題を増やし続けていた。
ついにラリーは、上司に、8日間の休暇を与えられ、リーダーシップについて考えてくるように命ぜられる。
何も変化させられなければ、解雇の憂き目にあうかもしれない。
この状況の中で、ラリーは何にヒントを得て、何を学び、何を変えるのか?

ありがちなビジネスストーリーだ。
『フィッシュ!』『大きな結果をもたらす小さな習慣』といったリーダーシップをテーマに展開されるビジネスストーリーと似た雰囲気を持つ小説。
リーダーシップについての考察が非常にベーシックで、わかりやすい。
気をてらった内容ではないが、それだけ素直に頭に入ってくる。

チームを率いると袋小路に入ることがよくある。
答えは意外に基本的なことにあるのかもしれない。

リーダーシップにお悩みの方に、お勧めの本。肩の力を抜いて、素直な気持ちで読むと得るものは多いかもしれない。

ブログ村 本ブログランキングに参加しています。

人気ブログランキングにも参加中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月 2日 (水)

インプレサリオ 成功請負人

026245880000シー・ユー・チェン著 『インプレサリオ 成功請負人』

よくわからない世界の話が展開されている。
こういう世界で生きる人もいるんだな、とひたすら感心しながら読んだ。

音楽、ファッション、レストラン、建築の分野で常に最先端のトレンドを創り出す現場に身を置きながら、成功を追い求めた人、それがこの本の著者シー・ユー・チェンという人だ。

端から見ているとにかく波乱万丈で、かっこいい人生を歩んだ人に見える。
しかし、そこには多くの苦労と葛藤があふれていたことは間違いない。

昔を振り返ると、若いころはだれにも負けない、クールなもの、かっこいいものを求めていました。
それから本当にクールなことは、表面的なことではなく、内面的な世界を探求することだと気づきました。
最後にたどり着いたところは、出発点でした。
僕は、クール、グルーブ、カッコイイという価値観を追い求め、随分引っ張りまわされました。
目で見たそのままの情報に若いころは惑わされます。幸福という価値観を、金、物、社会的地位、挑戦というかたちで手に入れようとします。
経験を積むと、ある人々には、心の目が開けてきます。心の目を通して、人間は内面の自分、心の平安、感謝する気持ち、慈悲に気付きはじめます。
若いころは、川の流れの表面の、速い波を追います。年をとると、川の底を流れる波の違いを見出せるようになります。

この一文が、非常に印象深い。
「幸福感」という観念をどこに見出すのか。

「川の底を流れる波」の境地に達することの意義を心に深く刻み込みたい。

刺激的な生活、表面的な華やかさを追い求めるのが間違っているということではない。それもひとつの人生だ。

人が持つ「幸福感」の源泉を何に見出すのかは、それはその人次第ということだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月27日 (金)

君はやり手だ!

023654110000_1ピーター・B・カイン著 『君はやり手だ!』

かなり硬派なビジネス書だ。

「必ずやり遂げる」
これが、テーマだ。
与えられた仕事は、なにがなんでもやり遂げる。このことの重要性を説いている。

読みながら『ガルシアへの手紙』を思い出した。
どんな些細な仕事、意味のない(と思える)仕事にも全力を尽くし、必ずやり遂げる。
その習慣の積み重ねが、やがて大きな成果を生む。
日々の積み重ねが必要なのだということ。

「目標を潜在意識にインプットしたなら、あとは自動的に目標が達成される」
ということは、成功哲学を表面的に学んだ人がよく勘違いすることである。
これはあくまでも準備なのだ。自己実現のための前提であり、成功のためのひとつの要素だ。
これがすべてだとは思ってはいけない。
成功するということは、やり遂げるということだ。
そして、この本には「やり遂げる」ということがどういうことなのかが示されている。

読んでいい気分になる本ではない。

むしろ、読んでいて心が苦しくなる本かもしれない。
自分が本当に「やり遂げる」覚悟を持っているかどうかを問われている気がした。

「覚悟」をしたい人におすすめの一冊!

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年4月14日 (土)

五感を使って独自化しろ!

024233760000藤村正宏著 『五感を使って独自化しろ! エクスペリエンス・マーケティングの極意』

独自化する有効な方法、それは「五感」というものを意識的に捉え、それをとことんまで極めてみる。
そうすることによって、お客様の第六感に訴えかけるような、他では体験できない、あなただけが提供できる、素晴らしい価値になるのです。

この一文にすべてが要約されているわけだが、ここに至る過程が肝心だ。

感覚を大切にし、論理の裏づけもある。
これを実現するためには、それなりの修行が必要になることだろう。

藤村さんの研ぎ澄まされた感性には、いつも敬服する。

本を読みながら「質感」というものを感じる。人が人として感じる崇高な感覚というのを意識している。

高い次元での心地よさを追求するとこうなる

といった感じだ。
藤村さんの域に達するには、洗練されたものをたくさん見て、聞いて、感動する。
そして、自分の感覚を信じて、自分の感覚の裏づけを得るために知識を増やしていくことが大切だと思う。

日々の生活の中のちょっとした刺激を感じ、感覚につねに新鮮さを保ち続けたい。

そこから、生きる喜びと仕事をする活力を得て生きたい。
商売のあり方を考えることがテーマの本だが、日々の生きかたに大いなる刺激を与えてくれる本(著者)でもある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月31日 (土)

「稼ぎ力」ルネッサンス プロジェクト

024948160000渋井真帆著 『「稼ぎ力」ルネッサンス プロジェクト』

こりゃ、いい本だ。
「自立する」ということの意味がしっかりと表現されている。

渋井さん自身の成長の過程が、非常にわかりやすく、具体的に、しかも興味深い構成で描かれており、読者を飽きさせない工夫も素晴らしい。「久々にいい本に出合えた」という感じだ。

この本はテーマが一貫している。

私たちが生きている資本主義社会は今や成熟を迎えている。経済の環境はいまだかつてない、大競争時代に突入している。それは、時代の変化そのものの結果ではあるが、インターネットの普及を中心としたITの発達がそれに拍車をかけている。

そんな環境の中、経済や金融、法律の仕組みを知らないで世の中に出てしまった人は、「K1のリング」にトレーニングもせず、さらに目隠しをして上がってしまったようなものだ。

いままでは、そういう人たちを企業は守ってくれていた。
国全体が発展し、企業はその成長に対応すること自体を目的にしていた時代は、戦う力のない人たちをガードし、囲い込む必要があった。
いや、むしろ戦う力のない人たちを歓迎していた。考える人よりも従順である人のほうが、使い勝手が良かったからだ。
しかし、時代の成熟とともに競争が激化してくると、その転換が迫られるようになった。
企業自体に成長する力がなければ、戦いに参加できなくなってきたのだ。もちろん、無力な社員をガードする余裕などなくなっている。
企業は、社員ひとりひとりに戦うことを期待し始める。「自己責任」という認識の発生だ。
戦う必要性の出てきた個人たちは、当面の対応として、聞きかじったテクニックであるパンチやキックを繰り出すが、それは当然のごとく効果が出ない。
無意味な行動はやがて気力を奪っていく。そして、リング外に放り出されてしまう。

この個人たちが今の世の中で生き残っていくために必要なことはなんであろうか?
パンチやキックといったテクニックの正確さだろうか?
それも必要だが、最優先事項ではない。
体力をつけることだろうか?
それは必要だ、トレーニングし続けることは重要だ。
しかし、その前にやるべきことがある。

最初にやるべきことは、目隠しをはずすことだ。

この考え方をベースとして、無力である個人が、今の社会の中でしっかりと戦える「経営者人材」になる必要性と、そのために必要なことを説いている。

経営者人材になるためのベースとなる要素は「経営者人材としての視点」「経済的分析力」「経済的伝達力」「自分なりの仕事哲学」だ。

そのなかでも最も重要な要素が、「経営者人材としての視点」。それはまさに、「人生を変える視点」である。
さらに「経営者人材としての視点」を養うためには、「長期的・将来的視点」「全体的・マクロ的視点」「本質的・根本的視点」「多角的・多面的視点」、この4つの視点を意識する必要がある。
物事を表面的、一面的に見るのでなく、一歩先また一段高いところから眺めることができれば、起こっている現象や原因の把握がまったく異なるものになるということだ。
この視点を身につける過程と身につけた結果により、人は大きく成長し、人生のあらゆる局面をコントロールできるようになるということだ。

それはまさに、人生を楽しく豊かなものにするコツと言っても過言ではない。

その視点と知識(ナレッジ)が相互に作用することにより、人は創造的行動を起こす経営者人材へと成長していくということだ。
非常にわかりやすい。

この本の中で、この成長過程を踏んだ渋井さん自らの体験談が語られていく。
ご主人をメンターとして、一介のダメダメ主婦が、社会の中で自立する経営者人材に成長し、経済的にも成功していく物語は、成功小説としても充分楽しめる内容だ。

生きかたを変えるためにどうしたらいいか?
人生を変えるためにはどうしたらいいか?

この命題に対して、渋井さんからの具体的な提示があり、体験談を通した実例が示されている。
渋井さんの成長に合わせて、自分の成長できる気分になり、心が晴れやかになる。
自分のレベルを上げ、社会に貢献し、その見返りとして、豊かな生活を送ることができる。
世の中に貢献することが、豊かな生活を送ることとイコールであるという考え方に、強く共感できる。

成長するということがどういうことなのかを、真剣に考える機会を与えてくれる名著であると思う。

この本を読んでから、『大人のたしなみ「ビジネス理論」一夜漬け講座』を読むと、
『大人のたしなみ「ビジネス理論」一夜漬け講座』で語られる渋井さんの社会観がより深いレベルで理解できるのではないだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月29日 (木)

小さな会社★№1のルール

026346860000佐藤元相著 竹田陽一監修 『小さな会社★NO.1のルール ランチェスター経営1位作りの成功戦略』

あなたの会社の経営力で一番になれる商品を決めろ!

この言葉に、すべてが集約されている。

お客さんはいつでも一番を買っている。
「一番安い」「一番便利」「一番美味しい」「一番きれい」「一番素敵」
自分の得られる環境の中でいつでも一番を買うのだ。
それは紛れもない事実だ。
だから、自分の商品を買ってもらおうと思ったら、「一番」を提供すればいい。
それが独自化であり、差別化なのだ。
「うちの商品は一番○○ですよ」
これが言えれば、営業は楽だ。それをお客さんに理解してもらえばいい。
その「一番」で勝負するのだ。

強い競争相手に勝つためには、絞り込んで1点に集中する。絞り込むと自動的に競争相手が減る。
また、絞り込んだ小さな市場に対して大手は本気で勝負してこない。大きな会社にとって利益の割りに手間がかかるものだからである。

小さな会社は勝負するポイントを絞り込んで、限られた経営資源を集中的に投資しろ!
ということはよく言われることだ。それが、戦略思考であると。
しかし、その絞り込みがうまくできないのが現実だろう。
この本では、その絞り込みまでの手順が詳細に書かれている。
「何に集中するのか、すべきなのか」
という思考の順番に対する解説が素晴らしい。

社内外の情報を集めること、英知を結集すること、計画に落とし込み、実際に行動すること

親切な解説と具体例の提示により、読者の頭の中には確実にシミュレーションが行なわれる。
ランチェスター理論に基づいて展開される足が地に付いた経営戦略論も非常にわかりやすい。

頭で理解し、行動が起こせる。

今すぐ、行動を起こしたい経営者の方には一押しの内容だろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月25日 (日)

成功王

027314000000道幸武久原作 波多野秀行作画 『成功王』

昨日、フィギュアスケートの世界選手権で安藤美姫が優勝した。

素晴らしい勝利だった。
昨年のトリノオリンピックで惨敗してからの復活劇。
そのドラマを知っているからこそ、今回の金メダルの価値を感じずにはいられない。

人生は山あり、谷あり。谷が深いほど、山は高い。
当たり前のことだが、試練や栄光という人生の起伏に対しては、それがわからなくなることが多い。
目に見えないからわからなくなるのだが、目に見えないこの起伏こそが、人の幸福感を左右していると言える。

この漫画も実は、そんなことを伝えようとしている。はずだ。

しかし、残念ながら読む人には、それが伝わらないかもしれない。
感動が薄いのだ。娯楽に成り下がっている気がする。
安いテレビドラマを見ているような感覚で、読み流してしまった。
『加速成功』を読み、現実の道幸さんの挫折と成功を知っていたとしても、あまりにも単純化しすぎている感がある。

もちろん、この本から何かを感じる人もいるかもしれない。
その本をきっかけに、『加速成功』を知り、豊かな人生に興味を持ち、成功を目指す若い人が出てくるかもしれない。
道幸さんの狙いはそこにあるのかもしれない。

しかし、この本から得られる感覚は、表面的な成功(見栄やお金)を目座す感覚からは脱却していない。

(かなり期待をして読み始めた身として、かなり「がっかりした」ということを伝えざるを得ない...)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年3月18日 (日)

なぜあの店だけが流行るのか?

026477790000大久保一彦著 『なぜあの店だけが流行るのか?―「行列のできる店」に学ぶビジネス成功の法則』

久々に大久保さんの本を読んでいる。
ちょっと、イメージが変わりましたね。そのことは、本人も本分中に明言している。

「時代が変わったから、私も変わる」
と言っているが、私はちょっと違う風に感じた。

大久保さん自身が変わったから、時代が変わったように感じる。

大久保さんの変化は、明らかに大久保さんの内面から出ているものだ。
とにかく「儲ける」ことに執着していた雰囲気から(その雰囲気もなかなか気持ちが良かったのだが)、「使命」ということを意識して、商売することの意義を説きながら、恒久的な繁盛を考える。
そんな姿勢に変わってきていることを感じる。

繁盛する飲食店の作り方に対するノウハウは相変わらず具体的で実践的だが、動機が変わったことで、より説得力が増してきている。

商売に対する意識が変わったことで、人生も変わった。

といった感じですかね。

<関連書籍>
繁盛の天才 2時間の教え
なぜか行列のできる飲食店の法則
「行列のできるダントツ飲食店」の秘密

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月16日 (金)

大人のたしなみ「ビジネス理論」一夜漬け講座

027405900000渋井真帆著 『大人のたしなみ「ビジネス理論」一夜漬け講座』

読んでおきたいビジネス書8冊の要約がまとめられていた。
普段は手に取らないようなビジネス書ばかりだ。しかし、題名はそれなりに聞いたことのある本ばかりなのだ。

「どっかのタイミングで一度は読んでおきたいな」

という多くのビジネスマンの気持ちを鋭く察した、優れた企画の本だと思う。

渋井さんの解説は非常にわかりやすい。
難しい内容を見事に解釈し、現在の日本の状況に照らし合わせて解説している。

まさに、原本を読んだ気にさせる効果がある。

しかし、ここに書かれていることは、あくまでも渋井さんの解釈であることを忘れてはいけない。
本を読み、自分なりの解釈をして、自分の生き方によりよく反映することの大切さを感じながら、ここで紹介されている本を、

「やっぱりどこかのタイミングで一度は読んでおきたいな」

と思ったひとときだった。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年3月15日 (木)

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

025245520000山田真哉著 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学』

いまさらながら読んでみた。
突然読みたくなったのは、おそらく『餃子屋と高級フレンチ...』に触発されたからだろう。

読みやすい本だった。文章が非常にわかりやすい。
山田さんは小説家志望なのだろうか。既成のビジネス書にない雰囲気と文体が非常に親しみやすい。

決して、難しいことは書かれていないのだが、いろいろ勉強した気になる本だ。

身近な疑問で読み手の興味を引き、会計学を通して、経営のことを語っていく。
会社の経営と家庭のやりくりの共通点を上手に説明し、わかりやすく解説されている。
ベストセラーになった理由が、タイトルのわかりやすさだけではないのがわかった。

利益を増やすためには、売上を上げるか、経費を減らすしかない。

金持ちになるための方法も同じ。収入を増やすか、支出を減らすか。

こんな当たり前のことに、「なるほどね」と思ってしまうなにか説得力のある本。

ブームからかなり遅れたが、読んでよかったと思える一冊だった。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年3月11日 (日)

夢をかなえるお金持ちの法則

027485430000 リチャード・パーク・コードック著 『夢をかなえるお金持ちの法則』

タイトルがいまいちだが、地に足のついた非常にベーシックな成功法則の本である。
いわゆるメンターものだ。

文章が軽快なため、読み流してしまいそうになるので、要点をまとめておくことにしよう。

成功者に共通する<八つの原則>

1.私は自分を信じている。
   自分が自分の目標にたどり着けることを信じること。

2.情熱を持って求める。
   自分の目標に情熱を持ち、何が何でも実現させたいと思うこと。

3.自分の快適なテリトリーを広げる。
   自分を本当に成長させる積極性を持つこと。

4.嘘と幸運は役に立たない。
   幸運は準備とチャンスが重なったときにうまれることを理解すること。

5.目標をインストールする。
   目標を紙に書き、毎日眺め、心に刻むこと。

6.ハードワークを楽しむ。
   一生懸命働くことを心から楽しむこと。仕事を仕事と思わない。

7.とことん粘り強く。
   絶対にあきらめずに「ノー」を「イエス」に変える創造的な方法をみつけること。
   そして、そうできるようにいつも努力をしていること。

8.失敗を予期する。
   人は自分のミスから学んで、ミスを予想して、
   行動を起こす準備をしなければならない。
   そして、行動するときにもミスを予想しなければならない。

最後の秘密―「魔法の原料」
それは「チームワーク」。どんなに素晴らしいアイデアであっても、一人で成し遂げることは出来ない。
周囲の力を最高に引き出すために、そして、目指した目標を粘り強く追い続けるために、チームワークは欠かせない。

この「最後の秘密」は、わかっているつもりになっている内容だが、もっとも重要な秘訣であることは間違いない。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2007年3月10日 (土)

餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?

027171270000林 總著 『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』

父の急逝により、急遽アパレルメーカーの社長に就任したデザイナー出身の若いお姉ちゃんが、コンサルタントのアドバイスを受けながら、赤字会社を立て直していくという物語を通じて、会社経営のイロハを学ぶ内容。

会計の知識をベースとして、会社の収益をいかに上げていくかということが、奥深くはないが、バランスよく語られている。

経営について右も左もわからないお姉ちゃんが、学習と体験を通じて成長していく様は、読んでいて非常に気持ちがいい。
いろいろな業態の飲食店をサンプルとして語られる収益モデルの実例も、読み手のイメージをかき立てるので、読み物として優れた内容である。

こんなに簡単に、しかもやさしく、経営のイロハを教えてくれる先生が存在するならば、是非ともお近づきになり、ご教授を願いたいものだ。

会社経営には戦略的発想と戦術的思考の両方が必要であることは、理解できているのだが、それを実現するためにはベースとなる知識が要求されるということが身にしみてわかった。

体験をすることで知識の吸収力が飛躍的に上がる。

成長するための環境に自分を置くこと。
問題を歓迎し、障害を乗り越える覚悟こそが、自身を成長さえる支えになる。
そんなメンタルな部分と経営の知識の両方が学べる良書である。

で、餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるかって?

そんなことを気にしているうちは、商売を繁盛させることはできない、ということがよく理解できますよ。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2007年3月 9日 (金)

「プロ経営者」の条件

025774670000折口雅博著 『「プロ経営者」の条件―ゼロから10年で1400億円。東証1部上場企業を創った男の哲学』

ジュリアナ東京やベルファーレというセンセーショナルなディスコの仕掛け人でありながら、その後、挫折を経験。
しかし、復活をかけて手がけた人材ビジネスで大成功。今は介護ビジネスにすべてをかける。
ゼロから10年で1400億円。この成功は、折口氏の経験した挫折と苦労の結晶であることは間違いない。

こういう経験をしてきた人たちは本当に熱い。心が熱い。
絶対にあきらめない!という信念を持つためのバックボーンがある。
少年期や青年期の苦労や挫折。そして、若き日の転落経験。
この悔しさが成功の源泉だ。

「俺はこのまま終わらない。必ず成功する人間だ。」

この気概を感じる。
現状に満足せず、いつでも人生に対する攻めの姿勢を崩さない。

成功するまであきらめない。あきらめられない理由を持っている。だから、成功する。

派遣ビジネスの中でも独特のビジネスモデルを展開し続けるグッドウィルグループの発想の源を感じることができた。

心が熱くなる一冊だった。
いくつになっても大きな夢を描き続ける。このことの大切さを感じ取ることができた。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年10月21日 (土)

なぜ?あなたはIT導入に失敗するのか

019918450000楠俊史、石嶺寿子著 『百戦錬磨のビジネス・コンサルタントが教える なぜ?あなたはIT導入に失敗するのか』

ちょっと古い本を手にした。
2000年のIT導入ブームの頃に書かれた本だ。
もう大分、時代遅れの感じもしないではないが、時代遅れの経営者は世にたくさん存在するので、参考になる部分は多いだろう。

この本は、ITの具体的な導入方法を解説した本ではなく、IT導入にあたり、経営のあり方、業務のやり方を見直すことに重点を置いているので、今読んでも充分に参考になるはずだ。
私の頭が時代遅れのために、そう感じるのか?いや、そんなことはない。私はこれでもITインテリジェンスは高い方だと思う。

会社にパソコンを導入し、ワープロや表計算を便利に使いこなすレベルから、社内LANを構築して、社内で情報共有をするレベル。そして、メールやインターネットを使って外部との情報のやり取りを効率化するレベル。
そして今や、さらなる情報受発信の効率化を図れるWeb2.0を活用し始めるレベルへとIT技術の活用は段階を踏んできた。
しかし、まだまだ初歩段階(PCをローカルで使っているレベル)の会社も多く存在しているはずだ。

パソコンはいまや会社経営での必需品。しかし、本当にその力を最大限に引き出しているかを再考するのも大切なことだ。
パソコンの持つポテンシャルを引き出すコツと人材の持つポテンシャルを最大に引き出すコツに共通点を見出せる。
「わからないから無知でいい」という論理が、豊かな人生を送る最大の障害であることをまたまた感じてしまった。

自分の持てる資産を最大に活用するためには、あらゆる分野から知識を吸収する貪欲さが必要なのだと、ひしひしと感じさせてくれた一冊だった。

「自分のITインテリジェンスは低くない」と思う方にも、おすすめの一冊。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月17日 (火)

藤巻のたのしく商売する法則

453403673609藤巻幸夫著 『藤巻のたのしく商売する法則』

相変わらずのパワーを感じた。

この本は、前回読んだ本よりも古い執筆ではあるが、より藤巻さんのパワーを感じることができる。
夢を実現するため、自分を高めるために、がんがん行動しているという感じだ。

この本のなかでは、ファッション業界のブランディングを実現するためのマーケティングに関するノウハウがいろいろと語られている。
業界をリードする藤巻さんならではの商売の基本が、いろんな角度から語られていて非常に興味深い。しかし、私のこころに響いたのはやはり、その人生に対する前向きな姿勢であることに間違いない。

失敗をおそれ、ある程度、結果が予想できることをやるより、思ってもみない結果を生み出す期待感がある仕事のほうが、やっていて楽しいと思うんだ。

言葉にすると簡単だが、これがなかなかできないのだ。
結果が予想できないことに取り組むのは、非常に勇気のいることだ。「失敗をおそれて」しまうのだ。

そんな心が萎縮している人たちに、藤巻さんからの最も熱いメッセージがある。

ちょっと最近みんな、元気ないんじゃない?どうせ景気が悪いんだからとハナから諦めているのでは。そんな冷めているのなら、状況はますます悪くなるばかりだよね。ひところ「熱くなるなんてダサい」という風潮もあったけど、今はむしろ熱いほうがかっこいい。

「どうせうまくいかないから」と思う気持ちが、すべての意欲を失わせてしまう。
諦めて冷めて生きるよりも、「ダメもと」でも、熱く生きていきたい。中途半端に熱くなるなら、藤巻さんくらい熱く燃え上がりたい。

それが「かっこいい人生」だと思う。

何事も最初はうまくいかない。最初はみんな「かっこ悪い」のだ。
しかし、それに耐え、諦めずに粘り強く行動したときに、それが「かっこよさ」に変わるのだ。

ポール・マッケンナ氏も言っている。
「何であれ、新しい習慣を身につけるには、あなた自身の心と体における“臨界”を越えなくてはならない。」

そう、はじめの辛さ、かっこ悪さを我慢し、気持ちよい状態になるまで辛抱せねばならないのだ。
そのためには、心の「熱さ」が必要なのだ。

何事もくじけてはいけない、一度しかない人生、悔いのないように一瞬一瞬を生きていくことが大切なのだ、ということを改めて実感させてもらった。

藤巻さんの熱い熱いパワーに感謝!

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年10月12日 (木)

検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた!

027003030000佐々木俊尚著 『検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた! 中小企業のWeb2.0革命』

Web2.0という言葉は最近、よく耳にする。

インターネットも新しい時代に入り、ただの情報共有のツールから、あらゆる人たちが情報を最適な分類や状態でよりスピーディに選択できるように進化しているということであろう。
それにしても、Web2.0という概念はよく理解できない。
この本では「フォークソノミー」と「ロングテール」という象徴的な言葉を引用し、その概念を説明しようとしているが、なかなか理解が難しい。

考えられることは、情報の深度がどんどん深くなり、ある特定の情報を共有したい人たちがつながりやすくなり、そこにはっきりとした目的意識をもったコミュニティがどんどん出来上がりつつあるということであろう。
そのことから、企業と個人がよりフラットな状態でつながるようになり、小規模な事業であったとしても、ニッチなニーズをつかみやすくなる。

つまり、零細規模の企業にも小予算で飛躍をするチャンスがどんどん生まれてくる、ということであろう。

この本には、その事例が多く紹介されている。
Web2.0を理解するということよりも、Web2.0をより深く利用するためのビジネスモデルの構築のヒントが語られている。
技術を理解しようとする人よりも、技術を利用しようとする人向きの本と言える。

佐々木氏の「あとがき」が非常に印象に残った。
この本に紹介されている経営者の方々は、検索連動型広告を使うことで成功の手がかりを得たということ以外に、もうひとつの共通項があるということ。

「大企業の下請けに甘んじたり、これまでの既存の顧客に頼るのではなく、自力で新たなマーケットを作り出し、新たな顧客を発掘し、大海原に漕ぎ出していきたい。」

このスピリットがあるということだ。
なんともロマンのあるスピリットでないか!

思いを深めるきっかけは災害であったり、事故であったり、時代の変化であったりするのかもしれない。
しかし、「人間が変化をしたい」と思ったときには、必ずそこに新たな気づきが生まれるのだ。

インターネットの新たな局面、Web2.0も、それを真剣に必要とする人間にだけ、その威力を発揮してくれるということだろう。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006年10月 9日 (月)

繁盛の天才 2時間の教え

025763080000大久保一彦著 『繁盛の天才 2時間の教え―127人の店長を成功させた』

「脳ポイント」を刺激する。

顧客に強烈なインパクト与え、感覚を麻痺させ、とりこにする禁断のテクニック。
相変わらずの大久保節が炸裂している鮮烈な内容だ。
飲食店を繁盛に導く大久保理論が、科学的な根拠を得て、さらに確信を深めている。

ある繁盛店では、つけ麺に、レンゲ大さじ山盛り二杯のグリタミン酸ナトリウムを入れているようです。すごいナトリウムの摂取です。それを感じさせないために、ごわごわの太い麺、酸味、辛味、そして、しゃきしゃきのもやしが大盛りで入っています。
そうすることで、舌感塩度を下げ、一気にナトリウムを摂取させ、脳に刺激を極限に与えるのです。最後に仕上げにスープを飲み干させるのです。
「うんめぇー!!」
店内かしこで聞こえる、この言葉が、お客様を虜にしていることを物語っています。

恐ろしいテクニックが満載されている。

しかし、大久保さんは、決してこのことを推進しているわけではない。
人が料理を「うまい!」と感じる感覚は、いかようにもコントロールできる。そのことを熟知し、それを演出するテクニックを駆使すれば、確実に店は繁盛する。とは言うものの、最後にはきちんと問題提起をしている。

「脳ポイント」を刺激するのが習慣になっている場合、食習慣を改善しなければならない。それこそが、「本物のおいしさ」を知るきっかけとなるんだ。すでに欧米ではこのステージに入っている。
そのためには、店主が伝道師となって、「食の大切さ」をお客様に伝えなければならないんだ。これは飲食店に限らない。どの業界であれ、今だからこそお客様に伝えなければならないテーマがあるはずだ。それを見つけて、伝えるのが、これからの個人の役割なのだ。

「繁盛」ということを研究しつくしたからこそ、行き着いた大久保さんの結論。

大久保さんには、食を提供する人たちが向かうべき次のステージがはっきりと見えているようだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月 5日 (木)

リーダーのためのとっておきのスキル

026269450000石田淳著 小阪裕司監修 『リーダーのためのとっておきのスキル たった2週間で「できる社員」をつくる!』

新しい時代の新しいマネジメントスキル。

非常にコンパクトにまとまっている。
もともとそんなに厚い本ではないが、そのうち前半の半分はマネジメントに対する考え方を変えるための頭の切り替えを促す内容で、具体的なスキルを説明する部分は非常に短い。
しかし、スキルは薄っぺらなものではない。
今までのいろいろなマネジメントスキルが統合された、非常に実践的な内容と言えるだろう。

行動科学はもともと、従来のマネジメントに人間の心理に対する洞察を加えた非常に人間味のあるマネジメント手法だ。
人の行動の源泉になる心理を捉え、自発的な行動を促すというのがその狙いである。
石田さんの狙いも基本的には、同じなのだが、そこにはトヨタ生産方式を思わせる作業分析を導入したり、大脳生理学の知識を応用した頭を「快」に導く手法を取り入れたりと、より実践的な内容になっている。

学者が考えた机上の論理ではなく、現実のビジネスの現場からでた泥臭さを感じる。

多くの会社はマネジメントと組織論を混同しているのではないでしょうか。あるいは心理学的なマネジメントを盲信し、本来進むべき道を失っているのではないでしょうか。

闇雲に精神論に頼ったり、ただひたすら行動を律することに専念するマネジャーには、目からウロコの書であることは間違いない。
もちろん人を「やる気」にさせ、自発的な行動を継続させるということは、一朝一夕には成し遂げられることではないが、この本のスキルの成果は十分に期待できるだろう。

たった2週間で「できる社員」を作れるかどうかは、マネジメントをするべきリーダー自体が、マネジメントに関するパラダイムを整理し、自分のとるべき行動を理解できているかどうかにかかっている、と言えるだろう。

小阪裕司ファンにも、おすすめの一冊。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月 4日 (水)

180日間売上拡大日記

022356350000山田英司著 『180日間売上拡大日記―こうして会社は儲かった! 』

かなり独特なワールドが展開されている。
久々に読んだが、結構新鮮な感覚を味わった。

営業、販売に関する基本的なことが、すんなり頭の中に入ってくる。
顧客、ユーザーに焦点をあわせるという思想を、小気味の良い文章で語りかけてくる。

特に小予算で広告宣伝をする手法は、非常に具体的である。
小予算でとにかく検証をし、失敗をしながら、何度も繰り返す。というやりかたは、小規模事業を営むものにとっては、実用的である。
今となっては、決して斬新なアイデアではないが、実践をするのはけっこう大変なことだと思う。

山田氏はいみじくも言っている。

素人がやると一~二度試してみて、結果が出ないとすぐに「や~めた!」ということになる。反省と責任追及はあるが、検証はしない。

あきらめずにやり続けること。失敗してら、何が悪かったのかを考え、成功するまで、やり直すこと。

販売の成功の秘訣は、お客を知り、お客の情報に焦点をあわせることだ。

営業を知るということは可能性を知るということだ。
頭をペコペコ下げることではなく「買ってくれないと困ります!」と脅すことでもない。逆に今のお客様はそうすると買ってはくれない。値引きや返品の数を増やすだけだ。それよりも、お客様の状態に合わせて的確な情報を用意し、絶妙のタイミングで提供することが大切だ。

売れないと困る。売れて欲しい。という心境が、悪循環を招くことはよくわかる。
買う側の心理をよく理解し、これが必要だ、これが欲しいときちんと思ってもらうこと。
そして、購入後に買ったことを喜んでもらい続けること。
言葉にすると簡単だが、実践には多くのステップがある。

この本は、二部構成になっている。
一部は法人営業、二部は店舗販売の実例が示されている。
コンサルティングをしながらの著者の本音が、ちらちらと見え隠れする構成が、非常に興味深い。
楽しみながら、売上を拡大するステップを学ぶことができる。

最新の本ではないが、まだまだその考え方と手法から得るものは多い。
何度も読み返したい営業本の一冊である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月 3日 (火)

自分ブランドで勝負しろ!

475730208809藤巻幸夫著 『自分ブランドで勝負しろ!』

ものすごいパワーのある人。

そんな印象を受けた。
一介の百貨店の従業員から、憧れのバイヤーという役割を得て、ついには業界でも有名なカリスマバイヤーになる。

常に前抜きに行動し続ける藤巻さんが、世に認められ、傾いた福助を再建するために、社長に抜擢されたことは、世の必然であろう。
いつでも物事をプラスに解釈し、自分を高めることに全力を傾け、どんなときでも向上心を持ち続ける。

無駄に力が入っている人は、どうしても周りから浮いた存在になりやすい。そのぎこちなさが、周りからの失笑を買ってしまうことがあるからだ。
しかし、その状況を笑うだけで自分から何もはじめない人よりは、力んでいる人のほうが断然すばらしい。すくなくとも私はそう考えている。

藤巻さんの生きる姿勢なのだろう。
周りから笑われることを恐れず、がんがん行動する姿。そんな姿勢を持っている人だ。

そして、「即断即決」を心情とする潔さを美徳とする。

つまるところ、即断即決をするということは、己の信念と覚悟を、自分の態度で示しているということであるのだ!

直感を信じることができるセンス。決断から生まれる責任を引き受ける覚悟。
これが大切だということだ。

そんな生き方を心がける藤巻さんが、人脈を大切にするのは、当たり前のことのように思える。
自分より立場が上の人、下の人を問わず、出会った人たちとの縁を大切にしていく。
自分という人間の個性を大切にし、さわやかな印象が残るように、立ち振る舞っていく。

成功する人の考え方や態度には、共通点がある。

周囲の気分をよくする雰囲気を持っているということだ。
そのためには、どんな考え方で生きるべきなのかということを藤巻さんはこの本で、わかりやすく伝えてくれている。

生きる姿勢を見習います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年9月30日 (土)

一瞬でキャッシュを生む!価格戦略プロジェクト

447850221809主藤孝司著 神田昌典監修 『一瞬でキャッシュを生む!価格戦略プロジェクト 小予算で簡単にできる感情価格決定法』

安売り体質から脱却し、値上げを断行し、粗利を増やし、キャッシュフローを潤沢にする。

言葉にすると単純だ。今すぐに実行したい。
他社よりも高い価格をつけることが、ビジネスで勝利することの最大の秘訣だと、主藤さんは強く主張する。
しかし、そこに商人としての正しい姿勢。生きる姿勢がなければ、ただの悪徳商法になる。

そもそも、私の起業の理由は“お金儲け”だった。(中略)
だが、それと同時にこんな思いもよぎった。「今までとまったくサービスが変わらないのに、お金を多くいただいていいのだろうか?」。いわば私の心のなかの善人の部分からの囁きみたいなものだ。今にして思えば、このときの心の奥底からの声をかき消して、儲け一辺倒に走っていたら、おそらく今の私はなかっただろうと思う。

これが、前提だろう。
価格に見合う価値を提供する。それが前提なのだ。

事業戦略を構築する上での価格に対する意思決定は非常に重要だ。
しかし、多くの事業家は、その価格決定要因を外的要因に依存している。
つまり、競合の価格に追随すること、コストを積み上げることだ。

自分の価値観と顧客の感じる価値観を一致させる努力をしようとしない。

いや、それをしなければならないことに気づいていない。
他社との差別化を図りたいのであれば、価格を上げることを考えるべきだ。
それを実現するための戦略には、価格に見合う価値を提供するという思想を反映させるべし。
そこから思考が大きく飛躍する。

マーケティングとマネジメントというビジネスの両輪の歯車を絶妙に合わせる発想法になるのだ。

マネジメントのレベルが、顧客に提供する価値を高める。
マーケティングのレベルで、価値の伝播を実現する。
このことで、多くの利潤を得ることができる。キャッシュが潤沢になる。

充分に「儲ける」ということだ!

このことを実行するための、最初の発想が「値段を上げるためには、何が必要か?」と質問することなのだ。

消費者が、価格と価値を判断する背景には、感情が大きな影響を与えている。
つまり、感覚だ。
この商品、サービスにはどれくらいの価格が妥当なのか、と「思う」ということだ。
安ければ一概にいいとはいえない。安すぎると、「疑わしい」という感情が起こる。
少し高い値づけがされている商品には、高いなりの理由を自分で考えはじめる。
「高ければ、高いなりの理由があるはずだ」と思ってくれる。
しかし、あるラインを超えると、それは怒りに変わる。
「不当に高い値段をつけやがって!」

価格には、無言の品質保証効果があることを十分に理解すべきなのだ。

「安すぎて信用できない。高すぎて頭にくる。」というラインは確実に存在する。
そのラインの内側で、「高いけど欲しい!」と思わせるためのマネジメントとマーケティングを実行し、確実に高い粗利を確保するのが、優れた事業家としての使命だと感じた。

「安すぎて信用できない。高すぎて頭にくる。」というラインを確実につかむ具体的手法まで公開している、起業家としての著者の大きな心に感謝しきりである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年9月29日 (金)

60分間・企業ダントツ化プロジェクト

447837421x09神田昌典著 『60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法』

素晴らしい!本当に素晴らしいの一言に尽きる。

今回で3回目の読了だが、今回ほどこの本の素晴らしさを感じたことはない。

結局、戦略構築とは、質問するプロセスであるということである。

そのとおりだと思う。この本を読む前提として、大いなる疑問、質問が必須だ。
「自分の事業をどうしよう、どうすれば軌道に乗るのか?ダントツになれるのか?」
という疑問を持って、この本の内容に取り組み始めたなら、数々の応えが浮かび上がってくることだろう。
スター戦略構築法は、「どうしたらダントツになれるのか?」という大いなる疑問の応えを導き出す、「適切な質問」の集合体なのだ。

ステップ1 商品
今後、ブームになっていく商品であり、しかも説明不要なので、一人歩きして顧客をつれてくる。さらに、ひとつが売れると関連商品に広がっていく、上りのエスカレーター的な商品の選択。
ステップ2 顧客
説得しなくて、向こうから「売ってくれ」と頼んでくる。さらに、次から次へ、知り合いを引き連れてくる影響力を持つ顧客を選択。
ステップ3 競合
戦わずしてトップになれる、のほほんとしたニッチな市場を選択。
ステップ4 収益シミュレーション
商品粗利のなかから、ビジネスの成長を確保できる無借金経営モデルの選択。
ステップ5 タイミング
顧客のバーゲンセールがいつ開催されるかを見極め、そのバーゲンセールで、金の卵を産む鶏を安く、大量に仕入れる。
ステップ6 メッセージ
購買欲求・必要性をシステマチックに引き上げるための、顧客感情を揺さぶるメッセージの選択。

これらの質問に応えるための21のチャートも非常に具体的でわかりやすい。
応えていくうちに、他社とは圧倒的に違う自社の魅力(USP)がはっきりと浮かんでくる。

背筋がゾクゾクする感覚、心が躍るようなワクワクする感覚を本当に得ることができる。

そして、何よりもすごいところが、単に「売りたい」「儲けたい」という気持ちが、「自分の事業は、業界の地図を塗り替えることで、こんなに世の中に貢献することができる」という気持ちに昇華していくことだ。
私は、今回のそのことを自分の体験として学んだ。

神田昌典氏のあとがきのメッセージが心を打つ。

ビジネスは、単なる金儲けの手段でない。この現代で、社会を変革する最強のツール。それがビジネスなのである。(中略)あなたが日々行なう作業は、人類に多大なる影響を与える。
多大なる影響を与えるからこそ、ビジネスに携わるものは、哲学・思想を持つ義務がある。

「儲けること」=「社会に貢献すること」

きれいごとではなく、この等号式が、脳の中にきちんと出来上がったとき、世の中は私がダントツになることを許してくれることだろう。

| | コメント (4) | トラックバック (2)

2006年9月27日 (水)

「できる男」はがんばらない!!

023727490000原崎裕三著 『「できる男」はがんばらない!! 営業マン改造計画』

『「バカ売れ」の法則』原崎さんの本を久しぶりに読んだ。
面白かった。そして、身につまされた。

もう、「仕事のためなら家族を犠牲にしても構わない!」という時代ではない。「家庭円満こそがビジネス成功のカギ」である。はっきり言って、「がんばっている男」はかっこよく見えない。「がんばった結果をさりげなく見せる男」がかっこいいのである。

という原崎さんの結論が、心に染み込んできた。
最終章で書かれている原崎さんが半年間、家族から無視された経験。実は、私にも同じようなことが起こっている。
妻と半年以上、きちんとした会話ができなかった。私が話しかけても、返事もしてくれなかった。
原崎さんの言うことが、まるで自分の身に起こったことのように感じて、食いいるように読んでしまった。「もう一年早く、この本と出合っていれば!」とも思ってしまった。

だから、わかる。原崎さんの言うことはひとつの真理である、ということが。

●「がんばらない!」という新たな選択肢を持つ。
●意味のある暇つぶしの時間を多く持つ。
●権威あるものに巻かれない。
●純粋な人付き合いをする。
●仕事しているという感覚を捨てる。

堅くなった心が溶けていくのを感じる。
人生の新たな選択肢を提示された。それは、非常に「かっこいい」選択肢でもある。

「がんばらなくてもいい」という許し、いや、「無駄にがんばってはいけない」という教え。

現代のビジネスマンには、適切なアドバイスだ。

そして、「できる営業マン」になるためのコツ。

●ビジネスとプライベートの境界線をなくす
●3秒で売れる!「できる男」ならではの決めゼリフ
●手作りのプレゼントを用意する!
●過去の経験をまとめるだけで時間短縮できる!
●心のこもった招待状を作る!

なんて具体的なんだ。今すぐ行動できるコツばかりだ。

今の私にとって、値千金の本であった。
『「バカ売れ」の法則』とは、私の人生の大きなターニングポイントで出会ったが、この本との出合いも鮮烈だ。
この本を読みながら、自分の行動がみるみる変化していくのを感じた。

「がんばらない」という選択肢、非常に気持ちがいい。

原崎さん、本当にありがとう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年9月26日 (火)

自分らしく稼ぐ。

489451222x09小阪裕司著 『自分らしく稼ぐ。―商売が楽しくなる4つの原則と8つの習慣』

小阪氏が提唱するビジネススタイル。
それは美しい生き方の提唱である。

「自分ができることをすることで、それが誰かの役に立つこと」
それが奇麗事でないということが、この本を読むとよくわかる。

お話のなかで私の過去の著作についてもしばしばふれることがありますが、それは宣伝でそうしているのではなく(もちろんその結果、関心を持っていただいてお読みいただければ嬉しいのですが)、お話ししていることが、その部分についてはその本により詳しく書かれていたり、ビジネスの現場で実際に実践する方法についてはその本で詳しく解説していたりするからです。

この文章が、小阪氏の美学を表現していると感じた。

人に自分の商品を奨めることが、きちんとできる。

それは売り上げを上げたい、儲けたいという気持ちからではなく、本当にお客にとって役立つものを紹介したいという心の表われなのだ。

小阪氏は、自分が提唱するビジネススタイル、それを表現した自分の著作に心から自信を持っている。
この境地に達した人には、多くのファンができる。
この人のそばにいれば、この人の発信する情報をキャッチすれば、確実に自分の人生が豊かになる、と感じるのだ。
(少し、宗教的だが...。)

これを称して、小阪氏は「マーケットは創れる」と言っている。

良いものを提供し、お客から「おひねり」をもらう。
良い商人は、良い芸人である。という小阪氏の信念は、一貫性がある。
商人が商売を愛し、良い商品を提供し続けるためには、儲けが必要だ。その儲けは、お客とともに創りだすものだ。

作る側、売る側、使う側、すべての人が恩恵を受けたとき、「儲け」が確実に生み出される。

この考え方は、本当に美しい。

小阪氏の提唱する生き方、ビジネススタイルを貫くためには、信念が必要だ。

目先の利益や快楽に翻弄されない、強い自分を意識する必要がある。

その信念を固めったときに、小阪氏のワールドに本当に触れることができるのであろう。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2006年9月17日 (日)

あなたの会社が90日で儲かる!

017127630000神田昌典著 『あなたの会社が90日で儲かる!―感情マーケティングでお客をつかむ』

ちょっと懐かしいマーケティングの本シリーズ第三弾。

やっぱりこの本はすごい。
効果的な集客の仕方、確実な販売の仕方、という実践的な内容もさることながら、この本自体に、本の内容の目玉であるエモーショナル・マーケティングがふんだんに活用されている。
この本自体がエモーショナル・マーケティングの成功例になっているのが、最高にすごいところだ。

まずは、タイトル。
非常にエモーショナルだ。タイトルがすでに、宣伝文になっている。
本を手にする人が想定できている。
「儲かりたくて仕方がない人」つまり、今まさに「儲かっていない人」
経営コンサルタントの強力な見込み客。
そういう人たちが、この本を手にした瞬間に、目が円マークになっているのが頭に浮かぶ。

そして、とてつもなく非常識な切り口。
「この本の購入を許可します」という冒頭の傲慢な言葉。
本文の中で、営業マンはお客に“へーこら”してはいけない。断るところから営業は始まると述べているが、それをいきなり実践している。
「どんなに斬新な手法が書かれていることだろうか」と読み手に想像させ、心理を揺さぶるのに、十分な切り口だ。

文章は、難しい表現が一切使われていない。
岡本吏郎さんいうところの、「パーソナルな表現」で終始されているのだ。
この本は口語体のビジネス書という斬新な切り口で話題を読んだが、その狙いは「斬新さ」だけではない。
読者に「この人の言うことは非常によくわかる」と思わせ、「この人は商売をよくわかっている」ひいては「この人の言うことは正しい」と信じ込ませるようになっている。
そのひとつの切り口が、難しい表現を一切つかわない「パーソナルな文章」なのだ。

読み手をさりげなく持ち上げ、モチベーションを高める表現。
「よい商品を扱い、日々懸命に努力をしているのに、売れない。
それはあなたが正直者だからだ。よい商品だからその良さがいつかは伝わると思って、販売方法に工夫がないだけなのだ。
だから、頭を使って販売方法を工夫すれば、よい商品を扱うあなたはダントツに儲かることができる。」
という表現が、随所にばら撒かれている。
「儲かっていないのは、俺の姿勢が悪いのではなく、やり方を知らなかっただけなんだ。やり方さえ知れば、俺もダントツになれるんだ。」
と読んでいる人は確実に思う。神田昌典という人を完全に信頼する。
「じゃあ、やり方を教えてくれ。早く教えてくれ。今すぐ教えてくれ。」
となるわけだ。
ここまでくれば、完全に神田昌典教に入信だ。あっという間に信者の出来上がり。
本当に素晴らしい。

と、このように書くと、この本は読者を思うように操作して、販売の罠に陥れているように感じるが、そうではない。
神田氏の提供する実践的な手法はきわめて有効なのだ。

この本が出版されてから、すでに7年が経過しようとしているが、今も有効なヒントがたくさんある。
少なくとも、今回再読して私は、あらたな気づきがあった。今、取り組んでいる仕事に役立つヒントを得ることができた。
つまり、神田氏自身がよい商品を扱う、優良なコンサルタントであるという事実である。
一見、読者を陥れるような手法が満載されている本書だが、この本を酷評する人に出会ったことがない。いまだに、読む価値のある本として、世間を流通している。
それ自体が、神田氏のノウハウを世間が認めているということであろう。

会場の前に、人だかりができている。
「この不景気なときに、よく集まるな。誰か有名人の講演会でもあるのだろうか」
そう思った。しかし、びっくりしたことに、それは私のセミナーに並んでいた客だった。
主催者に尋ねると、昨日まで電話が鳴りやまない状況だったという。

この文章を読んだ人の脳は確実に「快」だ。「この人の手法は確実に結果を出す!」と確信してしまう文章だ。
(それ以前に、DM作りや封書詰めの苦労などを語った切実な文章があるのは見逃せない。)
そして、行動に駆り立てる。

読み手の頭を確実に「快」にし、具体的な行動に駆り立てる「神田流成功の構造」。その本質が、ここに惜しげもなく披露されている。

その手法は、今でも応用可能だ。

恐るべし、エモーショナル・マーケティング。

| | コメント (3) | トラックバック (4)

2006年9月16日 (土)

気絶するほど儲かる絶対法則

024112480000石原明著 『気絶するほど儲かる絶対法則』

ちょっと懐かしいマーケティングの本シリーズ第二弾。
これも2年振りに手にしてみた。

「寝た子を起こすな!」
これは刺激的な言葉だった。ぼやぼやと日常を過ごす人たちが多ければ多いほど、チャンスは大きい、とやる気になった。

それにしても古さを感じない内容だ。いや、むしろ新鮮味を感じる。
「儲かる会社には、儲かる仕組みがある」
というのがテーマ。いまもって顕在。

儲かっている会社の社長に、儲かる理由を尋ねたら、「そりゃ、儲かるようになっているからだよ」と答えられた。というエピソードが冒頭に紹介されている。
石原さんが言うように、これは、すごいことだ。そして、これが本質だ。
儲かってしまったのではなく、儲かるように経営する
よいと思う商品を扱い、一生懸命仕事していたら、偶然売れて、偶然儲かったということではない。儲かる仕組みを用意して、狙って売っているから、当然のように儲かっているということなのだ。
だから石原さんは言うのだ、
「本当に強いのは「二匹目のドジョウ」をコンスタントに出せる会社」なのだと。

この本で石原さんは、売れる仕組み、そのための集客の仕組みについて多くのページをさいている。
そこには売れる構造作りのヒントが満載されている。
さらに、儲かるための会社の組織作りの必要性も説いている。
そして最後には、こう結論づけている。

私たちは、案外うっかり生きています。とくに日本はほかの国々と比べても比較的平和なうえ、注意や興味をひくいろいろな出来事や情報があふれていますから、気がつくと「自分でものごとをひとつひとつ突き詰めて考える」ということが難しくなっています。
でも、ちょっと待ってください。他人の意見をそんなに簡単に鵜呑みにしてはいけません。
ものごとは、表面だけを見るときと、もう少し踏み込んでじっくり見たときとでは、実は違うことが多いのです。

岡本利郎さんの『マネするマーケティング』の結論とそっくりだ。
成功している人のやりかたの表面だけ見て、それをマネても、うまくいきませんよ。仮にうまくいっても、2回目はありませんよ。ということだ。
だから、一歩踏み込んで、成功の構造をよーく見極めて、それを理解して、自分のものとすることの重要性を説いているのだ。
やっぱりこの本も、実践書ではなく、思想書であると言える。

石原さんの著作は、シリーズになっている。
この本の内容を読んでいて、「あれっ、この本とまったく同じことを言っている本があったな」と思った。
そう、石原さんの最新作『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』とその内容はほとんど同じだ。
しかし、新作のほうは売れる仕組みだけでなく、トータルでの儲かる仕組み作りを意識して書かれている。

会社は売上がなくてはダメだ。しかし、売れれば良いということではない。

儲かるための仕事の流れ、組織を作らねばならない。
そのために物事をトータルで考える戦略思考が大切だ、ということを石原さんは繰り返し説く。

「売る」という基本に立ち返るとともに、「儲かる」仕組みをどう構築するのかということを突き詰めて考える重要性を感じ取った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年9月15日 (金)

マネするマーケティング

024129590000岡本吏郎著 『マネするマーケティング』

ちょっと懐かしいマーケティングの本シリーズ第一弾。
2年ぶりに手にしてみた。手にしたときは、懐かしい感じがしたが、読み始めると新鮮だった。

神田昌典氏のエモーショナル・マーケティングのブームの絶頂期に書かれた本だ。猫も杓子もエモーショナルになりつつある風潮を、岡本さんならではの、厳しい視点で斬ったのがこの本だったことを記憶している。

中小企業のマーケティングは「マネ」が基本であると問いながら、「マネ」にも技術があると説く。
さらに、「マネする技術」を身につけるためには、経営に対する基本的な姿勢ができていなければならない、と岡本さんらしい展開がされていく。
そういう意味で、この本は手法を語る実践書の形をとりながらも、岡本さんは「思想書」であると語る。

この本には、集客に関するいろいろなテクニックが披露されている。
非常に参考になる。
2年以上前に書かれた本だから、今となっては目新しいものはない。
しかし、岡本さんのすごいところは、なぜこのテクニックが効くのかを親切に解説してくれているところだ。
成功の構造が推測できるように書いてくれている。

人類最大の効果的市場戦略。それはマネをすることです。
ただし、「猿マネ」はいけません。
特に、私たちの社会は「複雑系」の性質が強くなっています。
それは、市場が心理的性質を強めていることにつながります。
おかげで、お客さんは単純な売り込みには乗らなくなりました。
そういう状況下で私たちがマネをするのは、構造やアイデアです。
紙や色や字の形やキャッチコピーをマネするのではなく、構造やアイデアをマネます。
実際に、有名映画監督やミュージシャンもそうしているわけです。
そして、その構造やアイデアを盗む方法を知るために「物語」について見てきました。

岡本さんがこの本の内容を明確にまとめてくれている。
このことを肝に銘じたい。

猿マネをして、「やったことがすぐ効果がでない」と嘆く愚かしさを深く感じとった。
成功の構造を理解していれば、自分のやったことがすぐに効果が出なくても、自分を信じて、行動をし続けることができる。
それが、経営に対する根本的な考え方を変えてくれるし、強固なものにしてくれる。

やっぱりこの本は思想書だった。
以前読んだときには、ここまで感じ取れなかった気がする。

岡本さんのクールな視点に感謝をするとともに、「読み直そう」と決心した自分の直感にも感謝!

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年9月14日 (木)

不可能を可能にする成功力

492504182709浜口直太著 『不可能を可能にする成功力』

著者の自己プロデュースの上手さに舌を巻いた。

著者のことをまったく知らなかったが、タイトルに惹かれこの本を手にした。アメリカで成功した「国際経営コンサルタント」であることを、「プロローグ」を読み、初めて知る。

「私に力を与えてくれた海外著名人の方々」を読み、度肝を抜かれる。
そこには、ビル・クリントン、ジョージ・ブッシュ、ピーター・ドラッガー、マイケル・デル、ノーマン・ブリンカーなど、アメリカ政治経済界の重鎮たちの名前が列挙されている。
その人たちとビジネス上のつながりがあるという。

「この人はすごい人だ!」

さらに、国際経営コンサルタントになるまでの非常識で大胆な経緯にも、迫力を感じる。
本の内容に触れる以前に、浜口氏の世界にすっかりはまってしまった。
これがアメリカ流なのか?

いや、国際社会で、自分の能力を磨いてきた人一流の、自己プロデュースの仕方なのだ。

近藤藤太氏の生き方、考え方と重なる部分を感じてしまった。

米国で10年以上前に起きたことが日本でも起きている。もし、10年後の日本を知りたければ、今の米国を把握、分析すれば、かなり見えてくる。

この趣旨の則って書かれた、米国流のビジネススタイルの指南書である。
国際社会から見たとき、日本の文化は、独特である。
島国であり、単一民族で構成されたその独特の環境は、欧米人には理解できない文化を生み出している。
それは、ビジネスの習慣にも色濃く反映されている。
日本で成功する考え方と欧米で成功する考え方は明らかに違う。

日本には日本なりのやり方がある。
それはそれでも、いいだろう。しかし、考えるべきは、欧米流の生活様式、考え方、習慣がどんどん日本に入ってきていることだ。
それに合わせて、ビジネスのやり方も変化させる必要がある。

「横並び主義」から来る日本の構造的不況が長く続く中、その打開策として見栄やプライドを捨てて自分で考え、良いと思うことを自分で考えて実践する米国流ビジネス手法を日本人が、積極的に行うべきだと信じる。

これが著者の強い思いだ。
慣習や環境に流されて、自分で考えることをせず、ふつふつとした感情を抱きながら毎日を過ごす日本人に大きな刺激を与えてくれる。
この主張は、昨日のソフトブレーン会長の宋文洲さんの言葉とも合致している。
「形式主義」に凝り固まった頭には、米国流のさっぱりとした「実質主義」は、にわかに受け入れ難いかもしれない。

「日本には日本の良さがあるから、それを残しつつ、新しい考え方を取り入れていこう」などと、生ぬるいことを言っていてはいけない。

浜口氏は、こう締めくくっている。

過去の日本で成功した経験・知識・やり方はもう通用しなくなってきた。したがって、いつまでも高度経済成長期やバブルの経済気での成功のルールにしがみ付くことは負け組みになる原因を積むことになる。

この言葉を肝に銘じて、変化に対応すべきだ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年9月 6日 (水)

できる営業マンは 値引きなし・接待なしで 1.5倍売る

447854068309戸田覚著 『できる営業マンは 値引きなし・接待なしで 1.5倍売る』

営業の仕事って、「焦る」仕事だなとつくづく思う。
判断が、他人任せになりがちなのだ。お客の判断に一喜一憂してしまいがちだ。
だからこそ、自分を保ち続けることが大切なのだろう。

お客が偉くて、自分はそれに使える身だ、という考え方が、自分のセルフイメージを小さくして、仕事をつまらなくする。
卑屈な態度が、お客に不信感をもたせ、より売れなくなってしまう。

売れる営業マンは、まめな行動はすれども、決して卑屈ではない。お客に媚びたりはしない。
自分の仕事、会社、商品に自信を持ち、お客に必要とされているという確信を持っている。
だから「買ってください」という態度にはならない。
「売れないかもしれない」ということも思わない。

お客が必要としているから「必ず売れる」と確信している。

その考え方が、自然と余裕の姿勢をかもしだす。お客からさらなる信頼を獲得し、どんどん売れるようになる。
売れる営業マンは、そのために緻密な準備をする。
己を知り、お客を知ることに最善を尽くす。
そして、お客にとって、いかに自分と自分の商品が必要であるかを伝えていく。
確実に伝わるための準備と対応をしていく。

そのテクニックが親切に書かれている本だ。
この本に書かれている方法は、今の時代にあった細かいテクニックが多いので、数年先には時代遅れになる感はある。
しかし、そんなことを気にする必要はない。

“今”使えればいいのだ。

今を生きずに、将来はありえない。
成功する人は、時代の流れとともに自分のスタイルを柔軟に変えられる。
そのときに成功するスタイルを敏感に感じ取り、最適な方法を導き出している。
生きる指針と目標があれば、方法論は自由に変化させられる。

営業の仕事はまさにそれだ。

時代に合わせ、顧客にあわせ、自然に自分を変化させることができる。

そこに、確信があればあるほど、自由に生きることができるのだ。
そんなことを思いながら、読了した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年7月30日 (日)

ナイト

475720935509ロバート・フィッシャー著 『ナイト―脱げなかった鎧の秘密』

「君が本当に善良で、心優しく、情けが深い騎士であるなら、なぜわざわざ証明する必要がある?」

大げさな表現かもしれないが、この言葉に出会ったとき、雷に打たれたような衝撃が走った。

そう、自分が本当に優秀であるなら、そのことを証明しようと必死になる必要はない。

王国一の勇者を目指して、来る日も来る日もいくさに明け暮れる孤高の騎士「ナイト」。
やがて彼はいくさのないときにも、その立派な鎧(よろい)を脱がなくなった。
「いつ、いくさが始まるかわからない。いつでも一番に駆けつけられるように一瞬たりとも鎧をはずさないのだ。」
それが彼の主張であり、素顔が思い出せなくなるからやめてくれと懇願する妻子へのいいわけであった。
そんな生活に嫌気がさして、家を出ようとする妻の懇願に負け、ナイトはしぶしぶ鎧を脱ごうとするが、どうしたことか鎧が脱げない。どうしても脱げない。
万策尽きたナイトは、ついに鎧を脱ぐ方法を求めて、賢者を尋ねる旅に出かける。
その旅は、「素顔の自分」「本当の自分」に出会う旅であった。

なぜ、ナイトは四六時中、鎧を身にまとうようになったのか。
それは心の中に弱さを隠し持つ本当の自分を他人に悟られないようにするための、心の鎧だったのだ。
鎧をまとっていることが勇者の証と信じ込むナイトの深層心理が、鎧を手放さなくなっていたのだ。
しかし、真の自分ではない、鎧をまとった自分の姿は、周囲にとって気持ちのよいものではなく、なにより、自分にとって居心地の悪い姿であった。

鎧が脱げなくなったナイトに、多くの現代人が自分を重ね合わせることだろう。
かくいう私も、この話が自分の物語のような錯覚を抱いた。

自分が優秀であることが事実であれば、それは証明する必要はない。
事実は事実として存在するだけだ。
もし、自分が優秀であるということを証明することに恐れを感じているならば、
それは事実ではないからだ。いや、事実でないと自分が思っているからだ。
証明する必要など何もない。自分があるがままを表現していれば、それは自然と伝わっていく。

もし、自分が優秀でないならば、そのことを認めればいいだけだ。
優秀になればいい。優秀になれる場所を探せばいい。それだけのことだ。

何も恐れることはない。ためらうことはない。

自分を表現するだけ、それが相手にどう映ろうと、それはその相手の問題。
相手が私を必要としなければ、それはそれでいい。無理に付き合う必要はない。
いや、無理に付き合ってはいけない。
偽りの関係は、後々かならず破綻をきたす。

自分が優秀であることを証明したいと焦る心の中には、優秀でない自分が露見する恐怖が潜んでいる。
そのことに気づいた瞬間に、心の鎧が溶けていく感覚を味わった。
まさに目からウロコが落ちる感覚とはこのことだ。

何気なく読み始めた本だったが、今の自分に強烈なインパクトを残す本であった。

にほんブログ村 本ブログに参加しています。今日も応援ありがとうございます。

人気ブログランキングに参加してます。こちらもどうぞ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年6月24日 (土)

金なし・コネなし・経験なし社長の超・経営術

488399406609臼井由紀著 『金なし・コネなし・経験なし社長の超・経営術』

だから逃げてなんていられない。

あとがきの最後の一文が心に残る一冊、すごく面白い本だった。
楽天的というパワーを存分に頂戴できる内容だった。

私はテレビというものをあまり見ないから、この社長の存在を知らなかったが、この社長はマスコミでも有名な方らしい。
60代の社長と結婚した30代の女性が、突然旦那が倒れ、急遽社長代行になる。
その苦労話から始まるこの本は、読み手に「この先どうなるのやら」という興味本位を抱かせる。

読みすすめるうちに、「臼井さん、頑張って!」という気持ちになる。

そして、金なしコネなし経験なしで若くして社長になった臼井さんの底抜けに明るい性格と大胆な行動に強い共感を憶える。
苦労に苦労を重ね、社長としての知識と経験を積み重ね、売れなかった商品をヒット商品に再生したり、画期的な新商品を開発し、ヒットさせることで会社をどんどん成長させていく。
まさに日本的な成功物語が展開されている。
すごく楽しませてもらった。

しかし、この方の楽天的な性格と一途に打ち込む集中力はものすごいと思う。
この人が社長代行を任された状況は、どう考えても悲惨だ。
アルバイトの経験しかない32才の女性が突然、会社の経営を任されるのだ。
胡散臭いテレビドラマのような展開だ。

普通、引き受けないだろう。

たとえ、引き受けたとしても、すぐに音をあげて逃げ出すだろう。
社員からの陰湿な嫌がらせに耐えながら、前向きに努力する姿は、本人も言っているように『細腕繁盛記』そのものだ。
この人はその状況を乗り越えて、会社を成長させる。
会社のためなら、どんなことでもする。資格が必要となれば、博士号やMBAまで取得してしまう。
この人もすごいが、この人の資質を見抜いた旦那もすごい。

人間って強いんだな。

「覚悟」をした人間の強さを感じた。
自分を信じて、「覚悟」をすれば、なんでもできるものなのだ。きっと、そうにちがいない。
どんな状況でも、あきらめずに集中して努力し続ければ、望むべき結果が導き出されるのだ。

覚 悟 ・ 信 念 ・ 自 信 ・ 出 会 い

これの繰り返しで、人はどんどん成長する。
経験と知識の集積が、成功のレベルを上げていく。
そんな実体験を、思う存分見させていただいた。

臼井社長に、感謝!

にほんブログ村 本ブログに参加しています。今日も応援ありがとうございます。

人気ブログランキングに参加してます。こちらもどうぞ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年6月 9日 (金)

地球が天国になる話

484542094501斎藤一人著 『地球が天国になる話』

CDつきの本、というか本つきのCD。
斎藤一人氏の声を初めて聞いた。思っていた通り、下町のおっさんというイメージだ。親しみやすい。

私にとっての一人さんのイメージは、「無欲」。
「無欲」でここまで金持ちになった人というイメージを強く持っている。
久しぶりに読んだ一人さんの本のテーマは、幸せに生きるための心構えだった。
日本一の金持ちが説く「商人の心構え」というコンセプトは、影をひそめている。一人さんの持つ雰囲気は「商人」というより、もうすっかり「宗教家」だ。

この本のテーマは、「劣等感」の克服。

人が人生を不幸せに感じる理由は、「劣等感」だという。
多くの人が周囲(特に親)から受けた影響で、「自分はダメな人間だ」「もっと努力しなければ認められない」という劣等感を抱いているという。
人と比べて劣っている自分は、今のままでは幸せになれないと思い込み、不幸な人生を自分で決めているということだ。
そこから、子どもを不幸にしない親としての考え方が展開され、人に劣等感を与えない生き方の尊さを説いている。

劣等感の源は「恐れ」だ、と言い切るその論理にも妙な説得力がある。
「恐れ」は妄想なのだと。周囲からのネガティブな情報に影響されて、無意味な恐れを抱くなと力強く説いている。
そして、最終的には劣等感の克服、他人から劣等感を植え付けられない方法を教えてくれる。

結論としては、「地球という星は、この世でもっとも美しい星で、天国なのだ。」と言い、この星を天国にするのも地獄にするのも、一人一人の生き方、人生に対する姿勢で決まるのだと、声を張り上げている。

「みんなもエネルギーを恐れに使わないでください。たった一回の人生を地獄にして、ここを生きないでください」
という言葉が、強く記憶に残る。

斎藤一人という人は、使いきれないほどのお金を稼いでいる。
しかし、お金をどんなに稼いでも、どんなに費やしてもこの世は天国にならないということを全力で説いてくれる。
生きる姿勢が正しいから、お金が寄ってくるのか。お金が寄ってきたから、生きる姿勢が正しくなったのか。

堀江氏や村上氏などの例を上げるまでもなく「お金儲けは悪いことだ」とする世の中の風潮と斎藤一人という人間の存在。
人々の頭を混乱させるのに、充分な材料だ。

にほんブログ村 本ブログに参加しています。ポチッと応援、お願いします。

人気ブログランキングに参加してます。こちらもどうぞ

| | コメント (10) | トラックバック (1)

2005年11月12日 (土)

6000人を一瞬で変えたひと言

4763195069 大越俊夫著『6000人を一瞬で変えたひと言』

思っていた内容とはまったく違う内容の本でした。

タイトルを見て、すごい後援家が日本にも登場したんだな、と勝手に思い込んでいました。6000人の聴衆を前にして、ひと言でものすごいインパクトを与えるすごい人の講演記録だと勝手に思い込んでいました。
日本にもついに、アンソニー・ロビンスばりのモチベーターの登場かとワクワクしながら、ページをめくると、なんと、そこには不登校児・中退児を対象とした私塾の塾長の訓話が展開されていました。

思っていた内容と全然ちがう!と思いながら、目次とおぼしきcontentsというページを眺めると、そこには魅力的な言葉がたくさん並んでいるではないですか。引き込まれるように読み始めると、あれよあれよという間に一気に読みきってしまいました。

過去6000人以上の不登校児と真剣勝負をする中で、大越さんがつかんだ数々の生きる上での価値観。ここで紹介されている言葉の数々は、世の若者たちに発信すること以上に、真の幸福を求め続けた大越さん本人が、自分の信条を確認しているように感じました。それだけの迫力を感じました。

中でもこの言葉には、最も熱い思いを感じ取りました。

適応できないと感じるのも能力だ。これを「不適応能力」と言う。

環境に合わせて、自分を変化させ、能力を向上させていくことも一つの能力だが、周囲の価値観に流され、自分の信念を曲げ続けて生きていくのは能力ではない。自分の価値観をしっかりと持ち、周囲に流されず、押し付けられたことに拒否する力も立派な能力だ。これを大越さんは「不適応能力」として、認めているのです。
「個性を重んじる」という言葉で表現してしまっては、あまりにもありきたりですが、「不適応能力」という言葉には、それを超越した強烈な自己表現を感じます。
周囲の人の価値観に合わせることができず、学校に行きたくない、と主張する子供たち一人一人と真剣に対峙してきた結果の迫力のある言葉だと思います。

そして、私が本当に勇気づけられたメッセージ「二つの道があって、どちらかに行こうと迷ったら、苦労の多いほうを選べば、まず間違がいない。」というタイトルの文章を紹介します。

人間が何か行動を起こすときの基準は、"善悪"ではなく、"損得"あるいは"苦楽"であることが多い。師友塾にやってくる子供たちも例外ではない。得で楽な道を選んで"生活派(安定した生活)"になることに執着する。
それでは自分の人生を生きている実感など得られるはずもない。
「辛い道を選べ。そうすればひとかどの人間になれるぞ」
私はいつもこう言ってはっぱをかける。
(中略)
「しんどい道」を選択したこと、それが結果には私の血肉となり、今の私が存在する。大学の教師という道を捨て、親や先生の言うことを聞かない子たちを生き返らせる道を選んだことで、私自身がこんなに元気になった。子どもたちと共に過ごすことで、十分に"生"を実感している。子どもたちに「ありがとう」と声をかけられることは、至上の喜びだ。
安易に"手に入る幸せ"よりも、"たどりつく幸せ"にこそ、大きな喜びがある。
たどりつくまでの道は、けっして平坦な道ではない。人から見れば、何を好んで苦労を背負い込むのかと不思議に思われるかもしれない。しかし、もっと高いところから見れば、その道がどんなに美しく、喜びに満ちた道だということがわかるだろう。

こんなことを教えてくれる先生。子どもと接することに至上の喜びを感じている先生がいることを知り、「世の中、きっと良くなるな」と実感した瞬間でした。

記事にご共感いただけましたら、ポチッとクリックお願いします。人気ブログランキング

こちらもどうぞ。ブログ村ビジネスランキング

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2005年7月11日 (月)

君に成功を贈る

4891010207中村天風述『君に成功を贈る』

中村天風の著作を一冊紹介します。

「BOOK BATON」では『成功の実現』を紹介しました。この本は非常に高価なので、おいそれとは買えないと思います。私は正価でこの本を買いましたが、ものすごく迷いました。しかも買ったのは、会社をやめた直後でした。ある人から「絶対に読むべきだ。読めば必ずあなたの人生が好転する」と強く奨められ、清水の舞台から飛び降りる覚悟で『成功の実現』を購入した覚えがあります。(1万円ぐらいで何を大げさな、と思われるかも知れませんが、来月から収入が入ってくる保障がなくなるというタイミングでは、これくらいのインパクトがあったのです。)
購入し、すぐに読みました。かなりの量の本でしたが、1日で読み終わりました。速読ではなく精読しました。16時間ぐらい読み続けていました。自分の中での生きる価値観が変わっていくのがはっきりとわかりました。

人生には覚悟が必要だと思います。
ほんの一万円かもしれませんが、一万円の本を買うにはそれなりの覚悟が必要だと思います。その覚悟をした後の読書だからこそ、中村天風の教えに真剣になれたのだと思います。(卑しい感じですが、本心です。)

実際問題、一万円の覚悟をするのはなかなか大変だと思います。
そんな方に今日の本がお奨めです。
中村天風関係の本は数多く出ています。しかし、解説本が多いのでご注意ください。中村天風の直接的な声が聞こえる本は貴重です。その中で、手ごろな金額でその醍醐味に触れることができるのはこの本が一番だと思います。

おっと、また本の内容に触れませんでした。私ごときが中村天風を語るのはまだまだだと思いますので、まあいいですかね。
とにかく、中村天風未体験の方は、この本から体験してみてください。(この人が歴史の教科書に出てこないのは、日本の歴史教育の稚拙さを物語っているような気がしてなりません。)

応援有難うございます。人気ブログランキング

応援有難うございます。ブログ村ビジネスランキング

| | コメント (8) | トラックバック (1)

2005年6月13日 (月)

成功への情熱

4569550150稲盛和夫著『成功への情熱―PASSION』

稲盛さんの本は読みやすいです。結構分厚い本ですが、すらすら読めます。小難しいことがダラダラと書かれているような先入観を捨てて、是非読んでみてください。活字も大きいし、内容もわかりやすいので、あっという間に読み終わります。(活字が大きいのは、読者が年寄りばっかりということではないですよね...)

京セラのアメーバー経営のセミナーというのがあります。いわゆる経営者向けセミナーです。3カ月かけて40万くらいの費用を払って社長さんたちが勉強をする会で、京セラが自社の経営手法を指南してくれるセミナーです。
実は私はこれに参加したことがあります。(自慢です。)会社を辞める直前に参加しました。もちろん会社の経費で...。(セミナーの終了と同時くらいに退社してしまったので、会社には全く無駄金を使わせてしまったのですが...。)
このセミナーに参加すると、京セラのアメーバ経営がいかに完成された経営手法であるかが分かります。そして、その手法を支えているのが京セラフィロソフィーと言われる稲盛イズムなのです。ものすごく立派な理念であることに間違いありません。

中村天風、松下幸之助、そして稲盛和夫。
私はこの系列を修行系成功哲学と呼んでいます。
最近のはやりはやっぱり非常識系成功法則です。この手の本は楽しく、モチベーションは一気に上がりますが、気分が高揚しすぎる難点があるような気がします。(何の武装もないのに戦場に行きたくなるような無謀な気持ちにしてくれます。)かたや潜在意識最大活用の王道系は、理論に酔ってしまうだけという危険性があります。
この辺のバランス感覚を保つために修行系成功哲学は絶対必要です。とっつきにくい感じがありますし、中村天風の本などバカ高いので、なかなか読む気になりませんが、経営の王道も確実に身につきますので、ちょっと大人(おやじではないですよ)の気分になって大企業を経営している気持ちで、とにかく読みすすめることが大切です。(本当に好きですよ!)

| | コメント (4) | トラックバック (3)