ザ・プロフィット
エイドリアン・スライスウォッキー著 『ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか』
正直いって、私には難解な本だった。
小説形式の経済書だが、すらすら読める本ではない。
一日一冊を心掛けている私だが、この本に限っては、読み通すだけで二日間を要した。
事業に利益をもたらす23のモデルを章毎に説明している。
著者が冒頭に、「できれば週に一章ぐらいのペースでゆっくりお読み下さい。」と言っているが、私もそれが賢明だと思った。
この本を理解するためには、読者に、経済学的な知識と自社の事業モデルに重要な意見を述べることのできる立場が要求される。
この本の中で具体的な例をもとに紹介される利益モデルの数々は、知識として留めるだけのものではない。
自社の事業モデルに取り入れることで、最大の利益を効果的に得るための、具体策を考えるための引き金になるのだ。
ひとつひとつの章を軽く読み飛ばして、知識として分かった気になっても、やがてその知識は使われることなく風化していくだろう。
主人公のスティーブが8ヶ月をかけて学習したことにより、企業に利益をもたらす源泉を理解したように、この本を有効活用しようと思う読者は、
一章一章の内容を十分に理解を深めながら、読み進める覚悟がいる。
この本の優れているところは、企業に利益をもたらす戦略的思考や具体例を示すだけでなく、その思考に行きつかない人間の心理的なバックボーンや組織的な障害までも明らかにしている点だ。
そういった意味で、この本は教科書としての経済書の枠を完全に越えている。
難解な内容をより理解が深まるように、物語形式とすることで、読者の興味をそらさないようにしてくれた著者の親切な配慮を生かすためにも、常に手元に置いて、ゆっくりと学習することが必要であろう。
もちろん、自分のビジネスに応用することを常に念頭に置きながら...
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