志村流
テレビの「バカ殿」や「変なおじさん」のイメージとはまったく違う、非常に冷静で常識的な志村けんの人生論が語られている。
テレビでは、おちゃらけて非常識なギャグを連発する志村けん。
しかし、本人自身は懸命に人生を生きる常識人だった。
本の語り口は非常に淡々としており、テレビの志村けんからは想像できないほど単調な雰囲気を創り出している。
内容も「約束を守る」「礼儀を大切にしろ」「人をホメロ!」といった常識的な論理が展開されている。
「笑い」を丁寧に作り上げる職人としての志村けん像がはっきりと浮かんでくる。
印象に残る言葉は特にない。しかし、記憶に残る本だ。
それはテレビの中のキャラクターとしての志村けんのイメージを、一変させるこの本の雰囲気にあるのかもしれない。
著者に持っていたイメージと本の中で語られる人間像とのギャップ。
これにインパクトがあるのだろう。
結局、世の中の表舞台に出て、派手に動き回る成功者も、裏ではコツコツと見えない努力をしているという結論にいたる。
劇的な変化や奇跡はある日突然訪れるものではない。
確固たる信念のもとに、毎日の努力を怠らなかった結果として、必然的に起こるものなのだ。
そういう結論を与えてくれるこの本は、足が地についた良書なのだろう。
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