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2005年10月28日 (金)

第11番目の鍵

456964161Xロバート・シャインフェルド著『第11番目の鍵―富と成功への扉をあける』

独特な手法を紹介した成功法則本でした。
ロバート・アレンによる「まえがき」があり、億万長者願望者には無視できない一冊になっています。どんな金儲けの方法が書かれているのかと、期待しながら、ページをめくりました。

期待とは裏腹に、金儲けの方法は書かれていませんでした。しかし、非常に丁寧な成功への道しるべが記されています。

「第11番目の鍵」という意味は、今までの成功の方法はおおむね「十の要素」によって語られてきたが、それだけでは完全とはいえず、もうひとつ重要な鍵があるということです。
著者は、今までは「十の要素」を組み合わせるか、それを軸に肉付けをしたもので成功への論理が展開されていたが、それだけでは失敗に終わる可能性が非常に高い、と主張しています。

「十の要素」とは、
1.願望、2.信念、3.引力の法則、4.目標設定、5.模倣、6.明確で詳細な計画、7.大きな行動をいますぐ起こす、8.持続、9.視覚化、10.肯定的宣言
と著者は分類しています。
確かに、成功法則本でよく見かける項目であり、この項目を列挙すれば、私でも成功法則本が書けるような気がします。
著者は、この要素は非常に重要だが、成功のための必要条件ではない、と語っています。簡単に言うと、必要なときもあれば、必要でないときもあるということです。逆に、これらのことにこだわり過ぎると失敗をすることも多いと語っています。
そして、成功のための絶対必要な要素「第十一番目の鍵」の存在を明確にしていきます。

「第11番目の鍵」とは、ずばり潜在意識の活用です。

そんなこと、今まで散々語り尽くされているではないか!とお怒りの方が、たくさんおられることでしょう。
しかし、この私の解説だけで「オリジナリティ、ゼロ」という評価をするにはちょっと早すぎます

この本の著者は、一般的に潜在意識といわれているものに「インナーCEO」という名前をつけて(本文では「潜在意識」という言葉は一切出てきません)、その活用方法を説いているのですが、その潜在意識というものの解釈と活用方法が具体的でわかりやすいのです。さらに、スピリチュアルな要素が加えられて誠実な論理になっているので、科学的に裏づけがないと思いながらも、著者の主張にのめりこんでいきます。

人にはそれぞれ、内なる支配者が存在し(つまりインナーCEO)、人の行動を監視し、司っている。インナーCEOは、その人の生まれてきた使命を知っており、それを果たすように導いてくれる。インナーCEOは、必要な情報はすべて知っており、本人が望めば、その情報を見えないネットワークを使ってすべて提示してくれる。だから、インナーCEOに要望書を提出すれば、あらゆる方法で、その要望を実現するように手はずを整えてくれる。しかし、すべてが叶えられるわけではなく、抽象的な内容のもの、その人の使命と合致しないものは却下される、というものです。さらに、本人に充分な準備ができていない(内面の成長が不足している)場合には、遠回りを強いるときもある、ということです。

私が解説するとどうも、既存の成功法則を組み合わせた私なりの解釈が入ってしまいます。実際の内容は、本当にオリジナリティのある、新鮮な内容です。ご興味のある方は、是非、一度読んでみてください。
この著者も、人生の中で数々の失敗をし、既存の成功法則本を読み漁ったクチだと思われます。成功を望んでいるけれども、なかなか実現しない人には、ひと筋の光が見えてくるのではないでしょうか。

蛇足ですが、この本の著者は、この手法は会社経営の手法としても有効な手段だと言い切っています。部下のある方は、有効なマネジメントの手法として、部下と分かち合いなさいと言っています。
この本を読みながら、アメリカの会社経営者の関心は、経済学や経営学の知識から心理学に関する知識・技術に移行しつつある、という見解の裏づけを強く感じました。

世の中、変わりますね!


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コメント

面白い内容ですね。
インナーCEOを使いこなせれば、何でもできそうですね(爆笑)。
ただ、次の点はどうでしょう。
「すでに人の運命が決まっているとすれば、インナーCEOのやらせるとおりに、やっていけばいいのではないか?」ということですね。
人は、自分の思い通りに行かない!! とモガイテいるわけですが、すべてシナリオ通り・・・ということであれば、映画の中の役者の演技のようなものです。そう感じると、気が楽になりそうですね(微笑)。
でも、良さそうな本ですね。

投稿: マッチ | 2005年10月28日 (金) 11時40分

マッチさん、毎度です。

>インナーCEOを使いこなせれば、何でもできそうですね

確かに、そんな感じです。

>「すでに人の運命が決まっているとすれば、インナーCEOのやらせるとおりに、やっていけばいいのではないか?」

このことについても、著者は本文中で言及しています。こんな感じです。

私たちは自分の使命を知らない。知らない方が懸命な努力を促すからである。もし、何をしていても最後にはこうなる、ということを知っていたとしたら、懸命な努力をする人はいなくなってしまう。また、知らない方が人生を楽しむことができるでしょう。
インナーCEOは私たちの本当の使命を知っているが、私たちはそのことを知らない。私たちは、周囲からの情報や価値観に揺さぶられる。富を得ることが使命に合致しない人もいるが、多くの人がそれを望む。だから、要望書を書き、インナーCEOにそのことが受け入れられるかどうかを、予め聞いておくことが必要だ。

ということです。
わかりやすい論理ですが、どうすればインナーCEOとコンタクトが取れるのか、ということになると、「それは人それぞれ違うから、自分で試行錯誤して見つけなさい」ということです。
その辺は、曖昧でなければいけない、という論理ですね。

とにかく、何を信じるのかは、本人の選択ですね。成功する自分に向かって、毎日懸命な努力をすることが大切、ということでしょうか。

投稿: 成功おたく | 2005年10月29日 (土) 07時27分

 6章まで読みました。「十の要素」の問題点に対する指摘は面白かったですが、どうでしょう・・彼の理論は・・。インナーCEOのようなものが実際にあるのかもしれませんが、彼のインナーCEOの理論はおかしな点や矛盾点があるように私には思えます。

 読んでいて何度も首をかしげてしまいました。成功おたくさんは、彼の理論に疑問を感じたりはしませんでしたか?

 あと、インナーCEOを潜在意識と理解している方が多いようですが、私はインナーCEOは潜在意識とは明らかに別物だと思います。

 心理学や催眠療法が定義している潜在意識とは違うし、何より著者自身が潜在意識とは違うものとしてインナーCEOを解説している(私はそう確信している)ように思います。

投稿: スマ | 2005年11月10日 (木) 01時55分

スマさん、コメント有難うございます。

そうですか、インナーCEOは潜在意識とは違うのですね。そうかも知れません。インナーCEOは、コントロールするものではなく、協力を要請するもののように書かれていましたっけ。
どちらかと言うと神に近い存在なのですかね。(よくわかりませんが...。)

結局、インナーCEOのような存在を信じる、信じないは不毛な議論だと思います。この論理もやっぱり人の意見です。真実であるかも知れないし、違うかもしれない。
信じる、信じないというよりも、上手に利用できるか、できないかだと思います。

人間誰しも、将来のことに不安を感じるときがあると思います。その不安感を打ち消してくれるものは何かということだと思います。会社や組織などに頼って生きている人たちは、組織の安全性を盲信することで、その不安を打ち消すことができるのでしょう。
しかし、組織に頼りたくない人は、自身を信じるしかない。そして、自身を信じるためのバックボーンが必要になる。そのバックボーンになるのが(もう信仰にちかいものだと思いますが)、哲学だったり、宗教だったりするのではないでしょうか。(もちろん、過去の成功例や鍛錬というのも大きいですが)

とわかったようなことを書きましたが、結局は何かを信じることで、不安を抑え、行動を促進していく。
その信仰の対象が、他人の不利益にならないことであれば、なんでもいいんじゃないですかね。

曖昧な応えで申し訳ないです。
また是非、いろんなことを教えてください。

投稿: 成功おたく | 2005年11月11日 (金) 08時15分

MIXIでロバートシャインフェルドの「第11番目の鍵」のコミュニティを作りました。

僕もこの本のお世話になりました。僕と同じように、この本の知識を使用して、夢を実現していく方と情報交換ができればといいと思います。

このコミュニティで日本中のインナーCEOと一緒に、夢を実現していきませんか?

コミュニティで「第11番目の鍵」と検索すれば、いつでも参加できます。

無理にとはいいません。気が向いたらで結構です。

山内

投稿: Yamauchi Masaaki | 2008年3月24日 (月) 18時38分

山内さん、ご案内ありがとうございます。

一度、覗かせていただきます。
その際は、よろしくお願いします。

投稿: 元 成功おたく | 2008年3月26日 (水) 17時22分

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