Good Luck
アレックス・ロビラ著、フェルナンド・トリアス・ベス著『Good Luck』
自己啓発書として大ベストセラーのこの一冊。
書評を読んだり、立ち読みをしたりで、その内容はほとんど知っていましたが、読むタイミングがありませんでした。
今回、私の手元に引き寄せられてきたので、きちんと読んでみました。
わかりやすい物語で、記憶に粘りつく感じがすごいです。内容はすごくシンプルです。未読のための方に紹介します。
ある春の日の午後、六十四歳になる初老の男マックスは、公園で幼馴染のジムと五十四年ぶりの再開をする。一代で大企業を築き幸せに暮らすマックスにひきかえ、ジムは祖父の莫大な遺産に恵まれながらも、仕事も財産もすべてをなくし、失意のどん底にいた。「僕も君みたいに運があったらなあ…」と嘆くジムに、運と幸運の違いを説明するために、祖父から聞かされたという「魅惑の森」の物語をかたって聞かせる。その話は、幸運とは自らの手で作り出すものだという機知に富む物語であった。
という感じで、魅惑の森に幸運の四つ葉のクローバーを探しに行く、二人の騎士の冒険物語が展開されるのですが、はっきり申し上げて、お話としてはところどころに無理があり、小説としては幼稚な感じのする作品です。
しかし、多くの人の共感を呼び大ベストセラーになっています。
何故、この稚拙な小説がベストセラーになるのか?
プロモーションが上手だったのでしょうか?
確かに、見せ方、売り方の上手さもあるでしょう。
しかし、私は読みながらこう思いました。この作品は、お話で人を楽しませることを目的として書かれ、その中に教訓を埋め込んだものではなく、教訓を伝えるために物語という形式を利用した作品であるということが、あまりにも明確だということを。
その作者の意図が明確であればあるほど、読み手の共感が得られ、読後に「良い作品だった」という記憶を強く残すのでしょう。
寓話形式の成功法則本のわかりやすい成功例、と言えると思います。
この作品の教訓は、いくつかポイントがあります。
一つは、ポジティブシンキングだけでは成功しない、という例。
二人の騎士は、ともに素晴らしいポジティブシンキングです。それは、多くの騎士が「四つ葉のクローバなど見つかるはずがない」とあきらめて、チャレンジしない中で、二人だけが残るというシーンでよくわかります。さらに、「この森には、クローバーが育つ環境がない」という多くの人の言葉を聞いてもあきらめない姿勢にもポジティブを感じます。しかし、その後の二人の行動の違いが、結果を変えてしまいます。つまり、気合、根性、ポジティブシンキングだけでは、成功できないということをわかりやすく説明しています。
自分が成功するためには人の成功に貢献すべき、という例。
これは、白の騎士と森の住民たちとのいくつかのやり取りの中で非常にわかりやすく表現されています。特に湖の女王とのやり取りでは、露骨なまでに強調されています。
信念を貫くためには、苦境でも状況を正しく判断できる冷静さが必要である、という例。
悪い魔女とのやり取りで表現されていることは言うまでもありません。
そして、幸運の種はすべての人に公平に与えられている、という例。
これはクローバーの種が年に一度、緑の雨となって降り注がれているということで表現されています。(この設定は本当に無理がありますよね。)
その他にもいろいろと教訓はあるのですが、これらの教訓をわかりやすく表現するために、お話自体に無理や矛盾が出ているということです。話の展開を重視し、ストーリーの整合性ばかりを追ってしまうと、この辺の教訓が曖昧になる可能性があったのでしょう。
作者が伝えたい教訓をわかりやすく表現するために、あえて小説としてのレベルを省みない作者の勇気に多くの人たちが共感したものだと、私は好意的に解釈しました。
子供が読んでも楽しく、大人が読んでも得るものが多い。こういう本こそ、一時のブームではなく、永く読まれて欲しい作品だと思います。
非常に読みやすい本ですので、未読の方は、是非一度、手にしてみてください。
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コメント
成功おたくさん、こんばんは。
さすがというか、すごいです。書評に感動しました(^^;
ここまで的確にGOOD LUCKの事を書かれているのを見た事がありません。もう一つのGOOD LUCKがここにありました。
ちなみにGOOD LUCKのポプラ社で、新人発掘の第一回小説大賞が開催されていて、来年3月締切、賞金なんと2000万円です。
娘さん達へ向けた成功おたくさんだけの「GOOD LUCK」と「クリスマスボックス」
是非チャレンジしてみて下さい。
投稿: HIDE | 2005年10月13日 (木) 23時57分
トラックバックありがとうございます。
ってことでトラックバックURLから飛んでまいりましたが
なんともまぁ すごい角度から読み解いてらっしゃいますね?脱帽いたしました(汗
投稿: あーちゃん | 2005年10月14日 (金) 01時43分
HIDEさん、早速のコメント有難うございます。
最高の賛辞、恐縮です。
成功法則愛読者としての誇りとしている私としては、普通の角度からお話を読むわけにはいきません。
私なりの解釈で書かせてもらいましたが、こういう意見を頂戴すると、本当にうれしいです。
小説大賞ですか。
考えたこともなかったですが、なんか夢があっていいですね。
ちょっと考えちゃいましょうか(^^)
ブタもおだてりゃ、ですかね。
いいストーリーが思いついたら、やってみます。
それでは、今日も勇気を有難うございました。
投稿: 成功おたく | 2005年10月14日 (金) 06時39分
あーちゃん、はじめまして。
コメント&トラバ有難うございました。
実は、こういう感じの本、すごーく好きなんです。
だから、無理やりにでもその有益性を伝えたくて、こんな書評になりました。
楽しいだけでなく、生きる勇気をくれる本に出会えたときは本当にハッピーになれますよね。
是非、また遊びに来てください。それでは
投稿: 成功おたく | 2005年10月14日 (金) 06時41分
TBありがとうございました!
「Good Luck」
私もお気に入りの本です。
気軽に読めて中身の濃い本だと思いました。
作者が30代なのがすごいと思います。
成功した人は、GOOD LUCKに書かれているようなことを実感しているのでしょうね。
私もいつか成功できる事を夢見て、ちょこっとずつ頑張っています。
神田さんの本にもはまったことがあります。(笑)
よろしく!
投稿: orangerose | 2005年10月14日 (金) 09時23分
はじめまして、mhpceさんのブログから知りました。
私も潜在意識は大好きで、20年前に出会っていたのですが、縁が無く、1年半前に急に取り入れることになりました。
それから、人生180度変わりました。
GOOD LUCKも発売当初に購入し読みました。
そして、自分でもビックリなのがアレックス氏に会う事ができ2、3言ですが言葉を交わすことができました。
やはり、日本では天風さん、海外ではマクスウェル・マルツ(サイコ・サイバネティクス)が先生です。
そして、今月から「地上最強の商人」を実践します。
ぜひ、様々なことを聞かせていただきたいと思っております。
これからもよろしくお願いします。
投稿: koalohajp | 2005年10月14日 (金) 09時50分
幸運のクローバーは誰にでも渡される、と。
誰でも、照らしてくれる「お天とう様」みたいなものですね。
投稿: マッチ | 2005年10月14日 (金) 11時43分
成功おたくさん、早速コメント読ませていただきました。
やはり、他の方のコメントにもありましたが、成功おたくさんの書評には脱帽です。(自分の紹介の文章の中身のなさに)
私のこの作品のベストセラーには、やはり宣伝での効果は大きかったと感じました。丁度この作品の出版時期は、木村拓也さんの「Good Luck」のドラマをやった後ですし、(ちなみに私も最初はドラマ関連の本だと思って手に取ったので)あと、「ロードオブザリング」などの騎士をテーマにした映画もはやっており、読者の関心を集めるためにはうってつけの題名のように感じました。
あと、表紙時は何か引かれる魅力を感じました。
中身を読んで、読みやすさは読者にとってとても重要だと思います。丁度手ごろな文章量が魅力の一つではないでしょか。
PS koalchajpさんが、私のブログを通して成功おたくさんの所を訪れたのは感動しました。
成功おたくさん、koalchajpさんのブログへは私のゲストブックのコメントよりリンクが張られているので、一度遊びに行ってみては、これから「地上最強の商人」の実践の模様をコメントする予定だそうですので、(私は実践できてませんが)今後面白くなると思いますよ。
あとトラックバックありがとうございました。
投稿: mhpce | 2005年10月14日 (金) 20時05分
トラックバックありがとうございました。
なんか、いつも変なトラックバックしかつかないので、全部削除しようと思っていたのですが、開いてみて良かったです。
色々な本を読んでいらっしゃるみたいで、また、本を読む参考に、お邪魔させて頂きます。
投稿: be-happy | 2005年10月15日 (土) 05時32分
orangeroseさん、コメント有難うございます。
ブログ拝見しました。
アットホームな暖かな感じでいいですね。
マイペースで頑張っている感じに共感しました。
また、遊びに来てください。
投稿: 成功おたく | 2005年10月15日 (土) 13時00分
koalohajpさん、はじめまして。
コメント有難うございます。
いろいろとお詳しいですね。
私の興味と共通点が沢山あるようで、うれしいです。
今後もいろいろと教えてください。
よろしくお願いします。
それでは
投稿: 成功おたく | 2005年10月15日 (土) 13時03分
マッチさん、毎度です。
クローバーの種を恵みと思うか、迷惑と思うか、人によって捉え方が違うという教訓も非常にわかりやすい例えでした。
何事もプラスに捉えることができれば、世の中、宝の山ですよね。
そういう感性を身につけたいです。
投稿: 成功おたく | 2005年10月15日 (土) 13時06分
mhpceさん、いつも有難うございます。
お褒めいただき恐縮です。
『Good Luck』は、本当に成功法則の宝庫だと思います。ものすごく考えられた小説であると評価しています。
しかし、お話の表面だけを見て、それだけの小説と捉えられて欲しくないと言う思いで、書評を書きました。
mhpceさんの書評もいつも、情熱が伝わってくるので、感心しています。
今後も、熱意あふれる書評を楽しみにしています。
それでは、また。
投稿: 成功おたく | 2005年10月15日 (土) 13時12分
be-happyさん、はじめまして。
コメント有難うございます。
確かに最近、わけのわからないトラックバックが増えてきましたよね。
「開いて見て良かった」と思われて、本当にうれしいです。
また、是非遊びに来てください。
お待ちしてます。
投稿: 成功おたく | 2005年10月15日 (土) 13時15分
こんにちは。
最近になってGood Luck読みました。
賛否両論ある本ですが、
私は楽しめたので良い本だと思います。
投稿: イリ | 2005年10月30日 (日) 00時39分
イリさん、お久しぶりです。
私も、そろそろ読まなきゃな、と思い読み始めましたが、得るものが多い作品でした。
私も非常に楽しめましたし、未だに印象に残っています。
けっこう後から効いてくる本かもしれませんね。
それでは、また遊びに来てください。
投稿: 成功おたく | 2005年10月30日 (日) 09時41分