究極の贈りもの
ジム・ストーヴァル著『究極の贈りもの―すべての人に伝えたい巨いなる心の遺産』
いやー、感動しました。見事な成功哲学の本です。
図書館で何気なく手にした本なのですが、誰も知らない宝物を見つけたような気分になりました。(4年前くらいに出た本ですが、あんまり知られていないですよね。)
話はある大富豪の死から始まります。
当たり前のように莫大な遺産が残され、財産の分配について書かれた遺書が発表される。次々と財産の分配が発表される中、最後に残った姪の息子である24歳の青年、ジェイソンには金銭的な具体的な財産は分配されず、大富豪言うところの「究極の贈りもの」を手にするための12の課題のみが示される。生まれたときから金銭的に不自由をしたことがなく、働くこと、生きることに無気力だったジェイソンは、毎月与えられるこの課題を通して本当の意味での生きる喜び、価値を見出していき、最後には「究極の贈りもの」を手にすることになる。
アメリカの成功法則本によくある、大富豪が若い青年に対して、億万長者になるための秘訣を説いていくというスタイルをとっています。マーク・フィッシャーやオグ・マンディーノなどの著作に通じる雰囲気があり、私としては、物語のスタートから興奮して読み始めました。
しかし、この本の特徴は、レッスンを受けるのが、成功を目指す貧乏だが謙虚な青年ではなく、お金に不自由をしたことのない傲慢な“ぼんぼん”であるというところです。
この傲慢なお坊ちゃまが、1年間かけて、人として成長していく姿が描かれていくのですが、変化するようで、なかなか変化していかないもどかしさが、物語の面白みです。話としては非常に単純なのですが、内容には非常に重みがあります。(「愛情」というところの重要さを語るための、巧みな設定ですね。)
220ページほどのストーリーの中で、人生で大切なモノを全て網羅しようとしているため、一つ一つの秘訣の説明が少ないかなとも思いますが、その分、話の展開がスピーディーで、最後まであきることなく読むことができます。
この本も、多くの教訓があふれていますが、私はその中でもこの言葉に心を打たれました。
「喜びというものは問題を避けることから得られるものでもないし、だれかにかわって解決してもらって得られるものではないことが、ようやくわかったよ。苦難を克服してこそ、あるいは苦難を抱えたままでもその試練を楽しみながら生きていくことで初めて喜びは得られるんだってことさ」
これは、ジェイソンが「人生の試練」の大切さ、貴重さを学んだときに言った言葉ですが、そのまま私の今の心境を語ってくれています。
ジェイソンほど金銭的に豊かではないけれども、世の中には「生きる」ということを真剣に考えなくても、生存できるレベルの人があふれています。そのことと真剣に向き合うチャンスを与えられた人間は恵まれているということです。その機会を与えてくれるのが、まさに自分の存在を危うくするほどの「人生の試練」。
「試練」こそが喜びだと言える人生。
はやく、この境地に達したいものです。良書との偶然の出会いに感謝します。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
コメントありがとうございます!
すごい勇気がある方なんですね♪
ご家庭のためにも負けずに頑張ってくださいね☆
投稿: 社長になりたい大学生 | 2005年9月 2日 (金) 11時33分
社長になりたい大学生さん、コメント有難うございます。
私のは勇気ではなく、無謀だとさんざん言われています。
家庭のことは、本当に心が痛いです。
お金と幸せの関係を、日々勉強させて頂いてます。
大学生のうちから、準備されれば、人生の早い時期に、本当の幸せに巡り会えると思います。
頑張ってください。
私は、より頑張ります。
それでは、また来てくださいね。
投稿: 成功おたく | 2005年9月 2日 (金) 16時39分