オイラの法則!
リチャード・H・モリタ著『オイラの法則!―とびきりの成功法則―「成功の書」完全収録CD付』
ものすごく分厚い本です。明らかに『ザ・ゴール』を意識した装丁で、ちょっと持ち歩くのには迷惑な厚さの本です。リチャード・H・モリタ氏の成功ノウハウの集大成ということで非常に物々しい造りになっています。
理論編、物語編、講義編、実話編、質問集という形式なっており、構成としては非常に親切なのですが、読み物として読むにはちょっと時間がかかります。私は二週間かけて、細切れ時間で読んだのですが、読み終わっての感想は、テーマしか記憶にないというのが実感です。
でもそれでもいいのかなと思います。
まあ、それぐらい重要なテーマだったのですが、テーマはズバリ、「目標設定」です。
要するにこんな内容です。
誰もが自分らしく成功したいと思っている。そこで、何が自分らしいのかを漠然と考えるわけだが答えが出ない。そうしているうちに疑問は悩みに変わり、悩んでいてもしょうがないから、何か行動を起そうと思う。“当って砕けろ”の精神だね。何でもいいから、まずはやってみようということで、安易な目標設定をして行動を開始する。すぐ目の前にある"何か”に飛びついて、自分の目標について深く考えるという行動を止めてしまうんだ。
成功の秘訣は、「目標達成」の秘訣ではなく、「目標設定」そのものにあるということです。
言われてみればその通りで、他人から言われたことを一生懸命にできないのは当たり前のことです。他人の評価を気にしたり、周囲の期待に応えるだけの目標設定をしても、上手くはいかないだろうし、仮に上手くいっても本当の充実感は得られないということですね。
じゃあ、「自分らしさ」を見つけるためにはどうしたらいいのかというと、自分の過去を詳細に思い出せと言っています。巻末の469個の質問に答えることで、過去の自分に関する潜在記憶を呼び起こすのだ、というのです。この作業によって、本来の自分が発見でき、真の人生の目的に目覚めるのだといいます。
分かるような気がしますが、やるのに時間がかかりそうです。本気でやろうと思ったら、手助けは必要になるだろうなと思います。
そこまで本気でやってみようと決意したなら、おそらく、セミナーに出かけたり、プログラムを購入した方が手っ取り早いなと考えちゃいますね。(まあ、そういう意味で、この本は「非常によくできた宣伝ツールである」という意見にも反対しません。)
クールな評価をさせていただくと「目標設定」の重要さを知るだけなら、講義編がCDになっていますので、これだけ聞いても十分です。
ただし、声優の人の話し方と声が怪しげです。(子供と一緒に車の中で聞いていたら、「声が気持ち悪い。恐い夢を見そうだからやめて!」と言われてしまいました。)
私は好んで聞いていますが、好き嫌いがあると思うので、怪しい雰囲気が嫌いでない方は、これをくり返し聞くのをお奨めします。
さらに、「自己分析」の重要さと手法を知るだけなら、物語編を読むだけでもいいと思います。
この物語は、『アー・ユー・ハッピー?―マイ・ゴール物語』または『自分らしく成功する6つのレッスン』というタイトルで出版されていますので、これだけ読むのもいいかも知れません。(この本では、随分加筆がされていますが...。)
とにかく、「自分らしさ」ということが、大きなキーワードであることは間違いありません。
「自分らしさ」を発見し、「自分を好きになる」。そこから、生きる確信が生まれ、成功への自信へと発展していく。そんな生き方が理想であることは、間違いありません。
本当の自分らしさを見つけることが「人生の成功」に結びつくことは間違いないようです。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
最近、私もこの本を読みました。
要点は、「本当の自分らしさを知る。」「それを基にした本当の目標を持つ。」ことだと思います。
書店で立ち読みしたときに「本当の目標」という言葉に「オッ!」と思ったのですが・・・・本当のところどうなんでしょうねこの本は。評価が難しいと思います。
とにかく目標が大事といっていますが、私は疑問に思います。目標が無くても幸せに生きている人はたくさんいるように思いますが。
そして、この本の核心部分(だと私は思う)自己分析ですが、これで本当の自分がわかるのか非常に疑問に感じます。ただ単にたくさんの質問が羅列してあるだけのようにも感じるのですが・・・。
500ぐらいの質問なので少しづつやればそれほど大変でもなく、時間もかからずにできるとは思います。ただ、この本に書かれていたような効果はないと思いますね。
何か有益な発見があるかもしれないのでこの自己分析もやってみようとは思いますが。
しかし、あれですよ。これだったらソースのワークブックのほうが自己分析、自己発見の道具としてははるかに優れたものだと思います。けっこうやるのは大変でしたが。
この本の自己分析法は潜在記憶、本当のやる気を起こさせる「思い出」「思い」を思い出させることを目的にしているようですが、それもよく考えてみると疑問ですよね。
だって、何が何でも達成したい目標、それを持つ原因になったエピソードがあるなら、思い出す必要もなく憶えていて、もうすでに「本当の目標」を持っているはずだと思いませんか?
今現在、「本当の目標」と呼べるものを持っていないのなら、そんなエピソードなどなかったということではないでしょうか??
長々と書いてしまって申し訳ありません。
成功おたくさん、はその点どう思われますか?
投稿: スマ | 2005年10月18日 (火) 23時38分
スマさん、コメント有難うございます。
難しい問いかけですね。
ちょっと的はずれかもしれませんが、最近、ナポレオン・ヒルの成功プログラムの強烈な営業マンに、強力な推奨を受けましたので、その時に思ったことをお伝えします。
その営業マンは、非常にやり手の優秀なセールスマンでした。成功に関する考え方やプログラムについての商品知識は完璧で、立て板に水の営業トークです。私もご存知のように、成功についての知識とこだわりは非常に深いものがありますので、電話での会話には花が咲きました。
そして、私に対するクロージングトークは、こんな言葉から始まりました。
「ところで、何故あなたは成功していないのですか?」
そして、「今のままでは、成功しないことはもうお解かりですよね?」「自分だけ我慢して、幸せを装っても、周囲の人たちは確実に不幸せになっていますよ」「私はあなたに成功して欲しい。それは、あなたのためだけではなく、あなたの周囲の人のためを思ってのことなのです。」「あなたは変わらねばならない。」「あなたは決意しなくてはならない。」さらに極めつけは「私は、あなたを成功させることを決めました。あなたも決めてください。今日、決めてください。今すぐに決めてください。」
というものになり、私が「今は、やるつもりはありません。しかし、後日考え直して、やりたくなるかもしれません。しばらくしてから、またお電話ください」と言うと、「私には、見込み客が沢山います。一人の人に二度以上電話をすることはありません。今日、決めてください。」と電話を切ろうとはしません。
結局、私は「あなたのその決め付ける態度は、私のためを思っている姿勢ではない。本当に私の成功を願うなら、選択は私に委ねるはずだ。私は決めました、という言葉は、あなたが営業活動であきらめず勝利することを決めているだけ、私に成功するための行動を起こさせることを決めているのとは次元が違う。」と指摘し、「プログラムをやるかもしれないが、あなたから買う気はない」という発言をしました。
その後もいろいろと、私の考え方を否定し、「成功できるのに、もったいないですね」という言葉を最後に電話を切りました。
何を言いたいかというと、「成功するためには、~ねばならない」というのが、曲者だということを伝えたかったのです。(ちょっと、嫌な思いをしたので、言いたかったという気持ちもありますが...。)
「成功するためには、本当の自分を知らねばならない」「目標を持たねばならない」「プログラムを利用しなければならない」ということは、誰かの意見であり、万人の意見ではないということです。
「成功」を商売にする人たち(それは、世の多くのコンサルタントもそうだと思いますが)は、「私の言うことを聞くべきだ」と言わねばなりません。百歩譲っても「聞いた方がいいですよ」になります。
しかし、「ねばならない」はご法度だと思います。
結局、何が言いたいかというと、「成功」の定義は一人一人違うわけですから、方法論もひとつではないでしょう。共通点はあったとしても「ねばならない」と聞いた瞬間に、それは何かの思惑があると考えざるを得ないと言うことです。リチャ―ド・モリタ氏も、「成功」を商売にしている人です。その辺を考慮して、私は著作は読んでいます。(その考え方は、成功しない考え方だと、営業マンから強い指摘を受けたこともお伝えしておきます。)
スイマセン、ちょっと長くなりました。
私の考え方は伝わりましたでしょうか。
これも私の個人的な意見なので、聞き流してください。
また、建設的なご意見をお待ちしてます。
それでは。
投稿: 成功おたく | 2005年10月19日 (水) 22時01分
なるほど、そうですよね。この本に書かれていることも一つの意見、考え方にすぎないと言う事はいえるでしょうね。
ただ、私が最近気になっているのが「成功の法則」だとか「~の法則」、という具合にやたら本のタイトルに法則という言葉が使われているように感じることです。
どうもこの”法則”という言葉に違和感を感じるのです。そもそも、法則とはどんな意味の言葉なのだろう、と思い辞書を引いてみました。
意味としては、1.守らないといけない決まり
2.物事の間に存在する因果関係
ということが書いてあったと思います。(2はちょっとあいまいなのですが・・。)
本のタイトルに使われる法則の意味は2のほうですよね。つまり、ああすればこうなる。こんな風になるにはこれをこんな風にすればなるという法則性。
つまり法則というからにはキチンとその因果律が証明されていなければいけない。そうでなければ法則などとはいえない。
私が今までに読んだことのある成功哲学や成功法則の本では(この本でもそうですが)成功者に共通する性質を探し出し、その共通の性質こそ成功するための方法。成功の法則であるという理論を展開しているように思います。
しかし、それは証明された法則などではなく、あくまで「~であろう」という「仮説」にすぎないはずです。
仮説通りの行動を実際に行った結果、そのとおりになった、仮説の正しさが実証されたのであれば、それは一定の規則性、法則性を持った「法則」であると言っても良いと思います。
で、この本についてですが。今日、改めて思ったのがこの本の自己分析をやって、私はこんな風に変わりました。実際にこんな成功を手に入れることができましたという、「体験者の声」というのが全く書いてないように思うのです。(実は、最後のほうは読んでないのですが、確か書いてなかったですよね?)
本当にこの方法は上手くいくと実証されているのだろうか?この本の自己分析をやった結果、成功した人がいるのか?・・・気になります。私はまだそこまでされていないのではないかと思います。
もし、そうだとすると”法則”という言葉を使うのは読者に対して失礼だ!・・・といいたいところですが、彼はこの方法論自体には”法則”という言葉を使ってないのですね。
そこらへんは上手くかわしているというか、はぐらかしているようにも思えます。
結局のところ自分で実践し確かめたものでないと信用できないということになるのでしょうね。この本にも、「人の言うことを信じるな」みたいなことが書いてありましたね。
俺の事もうかつに信じるなよ、と著者も笑っているのでしょうか・・・。
営業マンの話面白かったです。
「その考え方は成功しない考え方だ」・・・成功哲学の営業マンはそういうでしょうね。私は成功おたくさん、と同じように考えます。疑ってかかるべきです。
特に営業マンのいうことなど気安く信じてはいけないのは世間の常識といっても良いと思います。自分の都合のいいようにしか言わない、自分の都合のいいように嘘をいう営業マンがどれほど多いかを私はしってます。
信じなければいけないことも多いでしょうが、疑わなければならないことも世の中には多いはずです。
・・・と、思わず長くなってしまいました。どうも短くまとめられなくていけませんね。
ではまた。
投稿: スマ | 2005年10月21日 (金) 22時57分
スマさん、おはようございます。
「私はあなたのことを真剣に思っています」
これは言葉にするものではないと思います。
そんなことを軽々と口に出す人を、私は信用しません。
悲しいことですが、思いは言葉から伝わらないですね。
思いを実現するために、何を成すか、何に最善を尽くすのか。だと思います。
起こす行動、行動により変わる現実が真実であると感じます。
論点がちょっとずれたと思いますが、最近の私の成功哲学です。
他人の意見は参考にすれでも、真実だと思い込んではいけませんね。それは、自分自身を放棄する行為のような気がします。
これを語りだすと、長くなりますので、今日はこの辺で。
また、ご意見お待ちしてます。
投稿: 成功おたく | 2005年10月22日 (土) 09時24分