のち式「経営」クリニック
野知律子著『のち式「経営」クリニック―小さな会社の経営は、物・人・心の整理整頓』
非常にベーシックな内容です。
中小企業の経営者にとっては、基本中の基本が書かれています。
一見平凡な内容に思われがちですが、これくらい「泥臭い」ことが書かれている本は貴重だと思います。
タイトル通り、「物・人・心」の整理の重要性を説き、日々の業務や人間関係作りを怠ることなく、真面目に努力しつづけましょうという結論の本ですが、結構、いまさら他人に聞けない、言えないようなことがたくさん書かれていて、私にとってはかなり参考になりました。
一番、ドキッとしたのは、家族との関係作りのこんな一節です。
あなたが家族の理解を得ずに何かを始めると、儲かったなら儲かったなりに、儲からなかったら儲からなかったなりに、あなたの愛する家族があなたの足を引っ張る敵となるのです。
いやー、ものすごく心が痛いですよ。
家族の賛成が得られないまま見切り発車で独立した場合、様々な問題が起こると明言されています。思うように結果の出ない場合、
「だから言ったでしょ、あんなに反対したのに。あなたは騙されたのよ」とか、「あなたにできるはずがないと思っていた。こんなに借金つくってどうすんの」などと、つらいときに一番支えて欲しい人からくさすようなことを言われるのです。
逆に、思い通りにうんと儲かった場合、
自分でも経営者としての自信がつき、もっとビッグになるぞ!と思った頃に、たいてい家族問題が起きます。妻が買い物依存症になって、カードで無制限に買い物をする。お金はあるのに、スーパーでつまらない物を万引きする。子供が不登校になる。事件を起こして、警察から呼び出しがくるなど。
神田昌典『成功して不幸になる人びと』じゃないですけど、ビジネスがうまくいっても、いかなくても地獄を見るのですよ。
私の場合も、完全に兆候が出ています。(もちろん、ビジネスがうまくいってない場合の兆候です。)
ビジネスで結果を出せば、家族の違和感も絶対修復するはずなんだと、ますます家庭を顧みず、仕事に精を出しているというのが、恥ずかしながら私の状況です。
やっぱり、家族との関係から逃げてはいけませんね。
「結果で示してやる」では余計こじれるのですね。
頑張って、カミサンとコミュニケーションが取れるようにします...。
野知さんの一言一言は、口うるさいオバサンのお小言のように感じます。(失礼!)
しかし、そんなベーシックなことが本当は重要なんですよね。
起業準備中の方へのメッセージも多いです。小規模経営を目指す方、「うざい」本ですが、是非ご一読を。
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コメント
こんにちは〜。yuhkiと申します。
先日は、『地上最強の商人』でTBいただき、ありがとうございます。
様々な本をお読みですね。
今後、参考にさせていただきます。
ではでは。
投稿: yuhki | 2005年8月 7日 (日) 00時36分
yuhkiさん、はじめまして。
yuhkiさんも、本はたくさんお読みのようですね。
一日一日を大切にしている感じがすごく素晴らしいと思います。
私も参考にさせていただきます。
コメント有難うございました。
また是非、いらしてください。お待ちしてます。
それでは
投稿: 成功おたく | 2005年8月 7日 (日) 09時16分
TBありがとうございます。
プロフィール、拝見させていただきました。
「宝の夢地図」などを活用してもなかなか現実にならない人がほとんどなので、
わたしのセミナーではもう少し違った視点で受講生に表を作ってもらいます。
成功の秘訣は、自分をよく知ること。意外とみなさん自分のことがわかっていないんですよ。
資本は自分。がんばってください。応援しています。
投稿: 神楽坂のっち | 2005年8月 7日 (日) 11時41分
神楽坂のっち様、はじめまして。
なんと、著者本人からのコメント、誠に恐縮でございます。
恐れ多くも、著者本人のブログにトラバをしてしまいました。それくらい、本に感銘を受けたということですので、お許しください。
野知さんの教えを参考に、仕事と家庭のバランスをきちんと保ちながら、豊かな成功を目指します。
それでは、また来ていただくことを楽しみにしています。
投稿: 成功おたく | 2005年8月 8日 (月) 10時08分