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2005年8月 3日 (水)

23分間の奇跡

05460469 ジェームズ・クラベル著、 青島 幸男訳『23分間の奇跡』

私は、この本をどうして手にしたのでしょうか?

おそらく「奇跡」というタイトルの言葉に引かれたのです。「奇跡」の訪れを期待している自分がいるからこそ、この本を手にしたのだと思います。

読み始めてから、この本が、教育問題に関する本であるということに気がつきました。
内容はこんな感じです。

9時2分前。先生が泣いている。今日から新しい先生がやってくるのだ。お払い箱になった以前の先生は恐くてふるえていて、子どもたちもまた、その恐怖がのりうつってふるえている。
9時に新しくやってきたのは若い女の先生だ。香水のいい匂いがするその先生は、床の上に座って歌をうたってくれる。前の先生は間違えてばかりいたのに、この先生はクラス全員の名前をちゃんと覚えてきて、誕生日まで知っている。
そして、新しい先生はみんなが朝礼のときにする「こっきにちゅうせいをちかう……」ということを、それはなに?という。「ちかう……ってなんのこと?」「ちゅうせい……ってなんのこと?」そして答えられない生徒たちに、「いみもわからないのに、むずかしいことばをつかったりするのは、よくないわ」「いままでの先生は、そのいみを教えてくれなかったの?」と問いかける。
生徒たちの心をつかむ術に、子どもたちはあっという間に新しい先生のとりこになり、最後までだまされないぞと思っているジョニーでさえ、9時23分にはすっかり先生の思いどおりになっている。

国が戦争で敗れ、占領され、新しい教師による洗脳がはじまる瞬間を描いたこの作品は、教育のもつ意味、教師によって子どもたちの心理がいかに誘導されやすいかを描いたものです。

途中まで、私は「この教師は素晴らしい」と評価し、理想的な教師の話と思い込んで読んでいました。
しかし、中盤の「神様に懸命にお祈りをしても、なにも起きない。もし、何かが起きるとすれば、それは他の人がしてくれるのだ」という言葉から疑問が生じてきました。

確かに真実なのだ。お祈りをしているだけでは、何も起こらない。
しかし、お祈りをする人間の意志の力というのを無視しているような気がして、もうちょっと違う言い方はないのかと疑問に思ってしまったのです。

私はまだまだ、祈ればどこかで「奇跡」が起きると盲目的に信じる、あまちゃんなのでしょう。

しかし、この本のねらいが明確に語られる最後のページを読んで、私の感じた違和感もまんざら間違いではないことがわかります。
なぜなら、この本の趣旨は、教師による「洗脳」の是非を問うことが目的だからです。
興味のある方は、是非、ご一読を。

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コメント

はじめまして。先日はトラックバックありがとうございました!

こちらの書評が大変おもしろく、いつも感心させられるなぁ、と思っていたところのTBでしたので、とても驚いて、とても嬉しかったです。

この『23分間の奇跡』は、たしかに最後のページに、すごいショックを受けましたが、その印象がいまだに心に残り、周囲にもぜひ読んで欲しいと思って勧めています。

また拝見しに来ます☆ありがとうございました。

投稿: あき | 2005年8月 3日 (水) 18時17分

何やら意味深な本のようですね。
何より青島幸男さんが訳本を出されている事さえ知りませんでした(^^;

積読を捌いていったら読んでみたいと思います。

投稿: HIDE | 2005年8月 4日 (木) 01時51分

あきさん、はじめまして。
コメント有難うございます。

何気なく、読んだ本だったのですか、非常に印象に残った作品でした。
古い本ですよね、でも、ずっと読み続けられて欲しい本だなと思いました。

また、来てください。お待ちしてます。
それでは

投稿: 成功おたく | 2005年8月 4日 (木) 10時36分

HIDEさん、こんにちは。
いつもコメント有難うございます。

意外な内容の本でした。
成功本ばかりでなく、こういう本も読んだ方がいいですね。(でも、どんな本を読んでも、同じ感想になるのが、私の悪い癖です。)

『人生は素晴らしいものだ』読みました。
書評も書いてみました。
また、ご意見いただければ、有り難いです。

それでは

投稿: 成功おたく | 2005年8月 4日 (木) 10時39分

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